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» 2017年05月21日 11時00分 UPDATE

柴崎辰彦の「モノづくりコトづくりを考える」:SXSW 2017観戦記 学生、ベンチャーが見せたワクワクする未来――日本の挑戦者たち(2) (1/2)

“IT界のパリコレ”ともいわれるイベント「SXSW 2017」で見聞きし、体験した刺激的なあれこれをレポート。今回もTrade Showの会場から、ビッグデータを収集する光る自転車や、自然な歩行をアシストするロボット義足など、日本のチャレンジを紹介します。

[柴崎辰彦,ITmedia]

この記事は柴崎辰彦氏のブログ「柴崎辰彦の「モノづくりコトづくりを考える」」より転載、編集しています。


 前回に続き、オースティンコンベンションセンターで開かれたTrade Showの会場から、日本の企業や、スタートアップ、大学生たちの参戦模様をお伝えします。

Photo オースティンコンベンションセンター内の「Japan Startup」ブース

「飛躍 Next Enterprise」プロジェクトから参戦の4社

 経済産業省では、国内の意欲的な中小・中堅・ベンチャー企業を海外に派遣する「飛躍 Next Enterprise」プロジェクトを実施してきました。同プロジェクトからSXSW 2017にエントリーしたのは11社。その中から4社を紹介します。

Eyes, JAPAN「Fukushima Wheel」――光る自転車がIoTデバイスに

 Eyes, JAPAN(あいづ・ジャパン)は、1995年9月創業の会津大学発のスタートアップ企業。代表の山寺さんは、2013年にアメリカで行われた「Health 2.0」の第7回ハッカソンに日本代表として参加し、優勝した経験があります。

 「Fukushima Wheel」は、自転車のフレーム部分に取り付けられた「センサーボックス」と、後輪に十字に取り付けられた「LEDユニット」で構成され、手持ちの「iPhone」をハンドル部に装着してアプリと連動させる仕組み。自転車を走らせながら、放射線、窒素化合物、温度・湿度といったさまざまな環境データをセンサーで取得し、携帯電話通信網を介してクラウド上に収集・管理して、ビックグデータとして活用するシステムです。

 自転車の走行中は、ペダルをこぐと後輪のスポーク部分に搭載されたLEDが点灯し、残像でカラフルな文字やイラストが表示できます。観光や環境の情報など、広告やメッセージの表示にも利用できるとのこと。

Photo Eyes, JAPAN代表の山寺純さん(左)と「FUKUSHIMA Wheel」

QD Laser「Retissa」――網膜走査型レーザアイウェア

 量子ドット技術・光学技術を基に「網膜走査型レーザアイウェア技術」を開発しているQD Laserは、国内外の各種イベントへの出展経験があり、「CEATEC JAPAN 2016」では、最高賞にあたる「経済産業大臣賞」と「米国メディアパネル・イノベーションアワードグランプリ」を受賞しています。

 「Retissa」は、フレームに内蔵された超小型プロジェクターから網膜に直接映像を投影するレーザアイウェアという新しい技術を採用。視覚支援用の医療機器としてだけでなく、AR(Augmented Reality)やスマートグラスへの応用が可能だそうです。

Photo 視覚支援用の網膜走査型レーザアイウェア「Retissa」は、見た目は普通の眼鏡と変わらないが、内側に眼球に投影する仕組みがコンパクトに格納されている

Borderless「Cross Helmet」――バイク用のスマートヘルメット

 デザインを手掛けるスタジオからスタートしたBorderless Inc.は、後頭部のカメラで撮影した映像をヘルメット内のモニターに映し出すスマートバイクヘルメット「Cross Helmet(クロスヘルメット)」のプロトタイプを展示していました。

 ヘルメット内に投影の仕組みが格納されており、視界の上部にバックミラーのように後方の映像が表示される仕組みになっています。

 私はバイクに乗りませんが、一般的なヘルメットと比べて違和感もなく、ニーズは大きいのでは? と感じました。

Photo 「Cross Helmet」は、ヘルメット内に投影の仕組みがコンパクトに格納される。後頭部にはカメラが!

HoloEyes「HoloEyes VR」――人体の3DVRを体感しながら情報共有

 「HoloEyes VR」は、CT画像などの医療画像データを活用し、VR(Virtual Reality)で表示された3Dの人体構造を3Dのまま直感的に体感しながら情報共有できる医療向けサービスです。開発したHoloEyesは、医療健康福祉でVR情報革命をリードすると宣言しています。

 ド派手な彩色の体の中身を目にしたときはちょっとビックリでしたが、自分の体の中はこんな感じなのかと、ちょっとした“アハ体験”ができました。自分で操作をしながら体の中を探索できるのは面白いような怖いような……。

Photo HoloEyesのCEOの谷口さんとCOOの杉本さん

独自参戦のチャレンジャー2社

 独自に参戦していた頼もしいベンチャー企業も紹介しましょう。

神戸デジタル・ラボ「SeekAT」――カメラをかざすと冒険の始まり?

 神戸デジタル・ラボがアピールしていた「SeekAT」は、「カメラをかざせば冒険が始まる」をコンセプトに、目的地案内だけでなく、Twitterユーザーなどの実際の投稿に基づいた表示で、スポットの人気度や盛り上りを直感的に感じられるARナビゲーションサービス。

 2017年3月に神戸で開催された、SXSWの日本版ともいえるクロスメディアイベント「078(ゼロ・ナナ・ハチ)」にも出展していたようです。

Photo 「SeekAT」を使ってスマホ越しに眺めると、Twitterのつぶやきが浮かび上がり、スポットの盛り上がりが分かる
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