最後に挙げるのは、昨今急速に普及しつつある「RPA(Robotic Process Automation)」の活用です。先にもお話しした通り、人事部門は企業の中で非常に多忙な部門の1つです。しかし、その業務の内訳を見てみると、定型的な業務に時間を費やしている割合が高いことが多いです。この定型作業を、人間に代わってソフトウェアロボットに代行させられれば、人事部門の大幅な生産性向上が実現します。
ここで挙げた3つのアプローチをバランスよく実行し、人事部門の生産性を向上させて、働き方改革の実践に向けた検討と実行に移すための時間を作り出すことが、働き方改革の第一歩といえるのではないでしょうか。
ソフトウェアロボット(RPA)の能力は、処理速度ベースで人間の5倍から20倍以上(※弊社測定値)と非常に高速な上に正確です。24時間稼働させることもできるため、少なく見積もっても、1カ月単位で比較すれば、人間の24倍以上(※弊社推定値)の業務量をこなすこともできると考えられます。
また、人間のように不満を持ったり、突然退職してしまったりすることもありません。将来のリソース計画を検討するうえでも、確実に計算できる戦力になります。その意味で、RPAは日本が直面している「労働人口激減+働き方改革」の時代を乗り切るうえで、非常に頼りになるソリューションだといえるでしょう。
しかし、この有益なソリューションも、導入の方法を間違えてしまえば、お金がかかるだけで効果を生まなかったり、逆に状況をさらに悪化させてしまう可能性もあります。次回以降は、RPAを導入する際の意外な落とし穴や、導入時の留意点について考えていきたいと思います。お楽しみに。
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