インタビュー
» 2017年12月20日 08時00分 公開

【特集】Transborder 〜デジタル変革の旗手たち〜:人工知能で不動産ビジネスを変える――楽天出身のベンチャー「ハウスマート」の挑戦 (3/4)

[池田憲弘,ITmedia]

「カウル」を支えるエンジニアとの出会い

photo ハウスマート CPOの高松智明さん

 針山さんが楽天で得たのは、ITの知見だけではない。カウルを支える重要なエンジニアとの出会いもあった。同社CPO(=Chief Product Officer)の高松智明さんだ。高松さんは新卒でエンジニアとして楽天に入社し、ハウスマートに転職した。データ取得や名寄せの自動化、顧客ニーズと物件のマッチングなど、機械学習を使った効率化のキーパーソンだ。

 楽天では、広告系のプラットフォーム開発を行っていた高松さん。Eコマースのデータを見て分析し、それをマーケティングに応用する業務を行っており、機械学習もそのころから使っていたという。

 「ユーザーの行動情報や購買情報を分析してレコメンド型の広告を作ったり、広告を出した際にどれくらいの割合で買うのかという予測を作ったりするのに、機械学習を使っていました。Webページに掲載するのには問題がある商品画像をはじくをフィルターをディープラーニングで作ったこともありました。デジタルマーケティングの分野は、アルゴリズムがお金につながりやすい分野だと思うんです。そこで機械学習やディープラーニングをビジネスに生かすノウハウを学びました」(高松さん)

 高松さんは、マンションの適正相場の予測や名寄せに加えて、画像検知の機械学習も検討している。反応が悪いアイキャッチ(トイレや台所)を自動で省き、クリック率を見ながら最適な画像を表示させるという。2018年1月には、賃貸と購入の想定価格を比較できる機能「カウル鑑定」をリリース予定だ。

photophoto 「カウル」では、機械学習を使ってマンションの適正相場を予測する

 「扱うデータは異なるものの、データを集めて整理して分析する――という点は楽天時代と変わらない」と高松さんは話す。もともとアプリレイヤーのエンジニアだったが、ハウスマートに来てからはインフラも担当。最初は慣れなかったが、徐々に慣れてきて、今はAWSのメリットを感じているという。

 「楽天時代は会社の規模が大きいこともあり、分業が進んでいたことから、足並みをそろえる必要があったのですが、今はAWSなのでサーバを作るのも柔軟ですし、タイムラグもほとんどありません。システムはほとんどDockerなどを使って組んでいます。やれる環境が整えば、すぐにビジネスに取り掛かれるスピード感がありますね」(高松さん)

 高松さんと出会ったことで、針山さんの考えも大きく変わった。「エンジニアのメンバーと一緒に働けるのが、とてもぜいたくな経験だと思っている」と彼は話す。

 「僕自身はずっと物を売る方の人間だったので、サービス開発にはほとんど関わってこなかったのですが、お客さまのニーズや市場の声を基に、エンジニアのメンバーと『ああでもない、こうでもない』と議論して、サービスを形作っていくのは本当に面白いと、この会社で初めて実感しました」(針山さん)

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