会計レーンに通すだけで自動決済――RFID活用のウォークスルー会計 トライアルとパナソニックが実証実験へ

トライアルカンパニーとパナソニック スマートファクトリーソリューションズは、「ウォークスルー型RFID会計ソリューション」の実証実験を開始した。来店客自身がRFIDを貼付した商品を会計レーンに通すだけで自動的に精算が完了するので、会計時間を大幅に短縮できる。

» 2018年02月20日 11時30分 公開
[金澤雅子ITmedia]

 トライアルカンパニー(以下、トライアル)とパナソニック スマートファクトリーソリューションズは2018年2月19日、福岡県福岡市のトライアル本社構内の実験店舗「トライアル ラボ店」で、「ウォークスルー型RFID(電子タグ)会計ソリューション」の実証実験を開始した。

Photo 実験店舗(左)とウォークスルー型RFID会計レーン(右)

 実証実験で使用するウォークスルー型RFID会計ソリューションは、来店客自身がRFIDを貼付した商品を会計レーンに通すだけで、自動的に精算するシステム。プリペイドカードなどの情報を事前にスキャンすることで、商品読み取り後はそのまま精算が完了し、会計時間を大幅に短縮できる。

 同ソリューションにより、店員の作業が大幅に削減され、店舗オペレーションの省力化につながる他、商品の個品管理によるダイナミックプライシングなど、RFIDを活用したさまざまな利便性を利用客に提供できるようになるという。

 また、今回の実証実験では、一部商品でトライアルが保有する製造/物流工程も活用したデータ管理/RFIDタギングも実施。RFIDタギングからウォークスルー会計までを一気通貫で検証する。

 小売・流通事業と関連IT事業を手掛けるトライアルは、これまでに利用客が商品スキャンと支払い作業を行うセルフレジや、支払いのみを利用客が行うセミセルフレジを導入。加えて、利用客が買い物をしながら商品をスキャンし、カートに装着されたタブレットで決済する「スマートレジカート」と名付けた方式を開発し、福岡市に2018年2月14日にオープンした「スーパーセンタートライアルアイランドシティ店」に導入している。今後は、店舗での少人数オペレーションの実現や、無人店舗の形態に適用できる新たな決済方式の開発も念頭に置く。

 パナソニック スマートファクトリーソリューションズは、2017年に経済産業省から発表された「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」の流れを受け、小売・流通業界におけるキーソリューションとして「RFIDレジロボ」などの個別ソリューションを開発。また、RFIDプラットフォームの開発にも取り組み、今回、ウォークスルー型RFID会計ソリューションを開発した。

 両社は今回の実証実験を通して、ソリューションとしての有効性を検証するとともに、将来のRFIDによる決済の適用可能性や、サプライチェーン改革の可能性を追求するとしている。

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