東京海上日動にある「若者しかいない」開発部門――メンバーは全員20代、入社5年目未満(3/4 ページ)

» 2018年03月14日 08時00分 公開
[やつづかえりITmedia]

月1面談、課外活動や社内副業の推奨でメンバーの興味関心を引き出す

photo 東京海上日動システムズ 人事部の工藤貴央さん

 この部署にいるほとんどのメンバーが、3〜4年以内には他部署に異動していく。山田さんは、各メンバーの志向や適性を見ながら、どの部署に送り出すのが良いかということも考えているという。

 例えば、入社2年目の工藤貴央さんは、アプリケーション開発部から人事部に異動し、春からの新入社員研修の企画をしている。アプリケーション開発部で早くから後輩を指導する機会があったからこそ、「人に教えることが得意」という適性を見いだされたのだろう。

 他にも、各自の興味関心や隠れたモチベーションを引き出す機会をたくさん作るのが山田さん流だ。例えば、全メンバーが月に1度、山田さんと本部長と3人での個別面談を行う。面談では業務の話はほとんどせず、各自が今興味を持っていることなどを話すそうだ。

 研修では落ちこぼれだった松谷さんは、OJTでプログラミングの基礎が分かるようになり、その後UI/UX(User Experience=ユーザー体験)デザインに興味を持つようになった。月に1度の面談の際には、外部研修で学んで感動したAdobeのPhotoshopとIllustratorの機能について、えんえんと語ったこともあるという。

photo 東京海上日動システムズ システム開発本部 アプリケーション開発部 光岡高宏さん

 各メンバーの興味関心は、デザインやデータ分析、機械学習、RPAなど多岐にわたる。社外研修やハッカソンに参加したり、部内で仲間を募って勉強したりという課外活動も盛んに行われているようだ。

 また、他部署の仕事を手伝う“社内副業”的な活動をしているメンバーも多い。例えば入社2年目の光岡高宏さんは、グループ会社が開催するイベントのWebサイトの立ち上げに手を挙げ、サーバの設定からデザインまでを担当した。

 最近では、社内で同部の存在が知られるようになり、「システムやWebサイトのデザインに手を貸してほしい」といった他部署からの相談が増えている。そんなときに山田さんは、部内でやりたい人を募ったり、興味がありそうなメンバーに直接声をかけたりして、どんどんチャレンジするよう促している。

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