インタビュー
» 2018年08月21日 07時00分 公開

変化に強いシステムを目指し、マイクロサービス、サーバレス、内製化に挑戦 最先端技術に挑むダイソーの情シスたち (1/3)

市場環境の変化が速い小売業界で勝ち残るためには、システムも変化に柔軟に対応できるものでなければならない。ならばマイクロサービス、サーバレス、内製化に挑戦しよう――。そんな大創産業の情シス課長、丸本健二郎氏の挑戦を追った。

[吉村哲樹,ITmedia]

変化に強いシステムをいかに実現するか?

 今や、私たち庶民の生活にすっかり欠かせない存在となった100円ショップ。そのパイオニアともいえるのが「DAISO」(ザ・ダイソー)だ。国内に3000以上の店舗を展開する他、海外でも26カ国、2000近い数の店舗を展開するなど、今なおビジネスを急拡大させている。

Photo 100円ショップ大手「DAISO」。扱う雑貨のうち99%が自社開発製品で、1カ月に800アイテム以上を新規開発しているという

 そんなダイソーを運営する大創産業は、広島県東広島市に本拠を置く。周りを木々や田んぼに囲まれた社屋の様子からは、「いかにも地場企業」という雰囲気が漂うが、実はここで現在、国内でもまだあまり例を見ない最先端のシステム開発が日々行われている。

 2012年に同社に入社した丸本健二郎氏は現在、情報システム部 システム開発1課の課長として、さまざまなシステム開発プロジェクトを率いている。もともと東広島市出身の丸本氏は、長らく東京のSI企業や大手ソフトウェアベンダーでシステム開発やコンサルティングの仕事に就いていたが、たまたま広島の企業を担当することになり、東京と広島を行き来するうちに、再び地元に戻って生活する道を選び、ダイソーに転職した。

 膨大な数の店舗と商品を管理するダイソーの業務を支えるためには、システムにも自ずと高い要件が求められる。丸本氏はダイソーに入社以来、発注システムや人事システムなど数多くの基幹システムの開発プロジェクトに携わる過程で、常にジレンマに苦しんでいたという。

Photo 大創産業の情報システム部システム開発1課の課長を務める丸本健二郎氏

 「小売り業界は市場環境の変化が極めて速く、いかに迅速に対応できるかが重要です。その上、当社はあえて長期的な計画や戦略は策定せず、短期的な課題にリソースを集中的に投下するという企業方針を貫いているので、短期間でビジネスの方向性が大きく変わることも少なくありません。従って、業務システムにも、自ずと変化に柔軟に対応できることが求められるわけですが、旧来のシステム構築手法では、とてもこれを実現できそうになかったのです」

 これまでの業務システムの開発は、外部の開発会社に設計から開発まで丸ごと依頼し、パッケージ製品をベースに開発するか、もしくはモノリシックなアーキテクチャによるスクラッチ開発を行ってきた。どちらの方法をとるにしても、いったん開発を終えたシステムの機能を後になってから修正したり、ちょっとした機能を追加したりするだけでも開発会社にいちいち依頼しなくてはならず、内部のアーキテクチャも分からないため、情報システム部が自ら内製開発しようにもなかなか手を出しづらかったという。

 「画面に文字を1つ追加するだけで100万円請求されたときには、さすがにあぜんとしました。変化に柔軟に対応できるシステムからは、程遠い状態でしたね。それに、私自身がかつてはシステム開発を請け負う立場にいたことから、外部の開発会社はあくまでもシステムの開発が目的であって、開発を終えた後の運用のことまでは気に掛けてくれないことも痛感していました」

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