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» 2004年02月20日 21時56分 UPDATE

TD-SCDMA(MC)提案者が来日 〜中国製端末を披露

TD-SCDMA(MC)方式の提案者であるDr.シュー・グアンハン氏が来日し、技術説明を行った。同氏は会場で、中国製のTD-SCDMA(MC)端末を披露。PCスロットに挿すタイプで、下り最大1Mbpsを実現するという。

[杉浦正武,ITmedia]

 TD-SCDMA(MC)方式の提案者であるDr.シュー・グアンハン(Dr.Guanghan Xu)氏が2月20日に来日し、技術説明を行った。TD-SCDMA(MC)方式は、モバイルブロードバンドを実現するとされる無線通信方式。国内では、イー・アクセスが採用を表明し、3月から実験を行うとしている(記事参照)。

photo 来日したDr.シュー

 Dr.シューは、“TD-CDMAを改良した規格”として中国政府からITUに提案され、3GPPで標準化された「TD-SCDMA」の、イニシャルドラフトを起草した人物でもある。ただし、TD-SCDMAはマルチキャリアオプションが盛り込まれず、高速化の要求に応えることが難しくなってしまった。

 これに不満をもったDr.シューは、TD-SCDMAに複数の技術を追加し、TD-SCDMA(MC)方式を提案した。MCは、マルチキャリアの略であり、TD-SCDMA(MC)は、TD-SCDMAの高速データ通信オプションと位置付けられる。「CDMA2000 1xに対する、1xEV-DOの関係と同様」(Dr.シュー)。

 高速化オプションとうたうだけに、TD-SCDMA(MC)の下りスループットは、TD-CDMAを大きく上回るとDr.シューは説明する。単一セル内20ユーザー、マルチパス環境を想定したシミュレーションで比較した場合、TD-SCDMA(MC)の下りシステムスループット平均が7.0Mbpsだったのに対し、TD-CDMAでは2.65Mbpsだったという。「同一条件で、2.6倍の速度となった」。

中国製端末を公開

 同氏はまた、中国製のTD-SCDMA(MC)端末を報道陣向けに披露した。PCカードスロットに挿すタイプで、無線LANカードなどよりも一回り大きめの作りになっている。

Photo (クリックで拡大)

 通信速度は、下り1Mbps/上り500Kbpsとなる。少々遅いようにも感じられるが、実は技術上のフルスペックは使い切っていない。

 「TD-SCDMA(MC)方式では、5MHz幅で最大10のサブキャリアを利用するが、この端末では2つのサブキャリアしか用いていない。将来的には、より高速化できる可能性がある」

 現在は、消費電力の問題や、コストなどの問題から、「最初のプロダクトとして」(同氏)この仕様になっているという。

 なお、TDD方式のCDMA方式全般にいえることだが、TD-SCDMA(MC)では上り/下りの速度を柔軟に変更することが可能。「基地局の設定により、理論上は毎秒単位で上り/下りの比率を変更することが可能だ」。

 同氏は“たとえば昼間は、ビジネスユーザーが多く、(テレビ電話など)上り通信のニーズが増すため上りを高速化し、夜間はコンシューマが多く、下り通信が多いため下りを高速化する”といった運用が考えられるとした。

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