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“レンズの力”を感じるクリアな画質――プロジェクター「PJ-TX100J」レビュー:劇場がある暮らし――Theater Style(3/6 ページ)

» 2004年10月22日 19時53分 公開
[本田雅一,ITmedia]

 各画調モードの絵作りの差を撮影した。オプトブラックはナチュラルブラックモードに設定している。

 ノーマルモード(色温度設定7500度)の白表示をホワイトバランスの基準としてマニュアルで設定。露出もノーマルモードのアイリス開度“中”で合わせ、相対的な色と明るさがわかるようにしている。このため、色温度を6500度にしたものは赤く(9800度は青く)映り、明るさの違いにより露出もアンダー/オーバーになっている。

自動車

photo ダイナミックはかなり明るさが強調され、色バランスも完全ではないものの、意外に使えるという印象
photo ノーマルになると色調が整い、トーンカーブも自然。映画や写真を表示するならば、このモードが万能的に使いやすい
photo シネマはシャドウにが強調され中間調を持ち上げているため、映像ソースのタイプを選ぶ。車の写真ではフロントバンパーから影にかけてのトーンが急激に変化しすぎ、やや破綻気味。ハイライト近くもやや明るすぎ、トーンカーブがS字を描くようなイメージ
photo ミュージックはシャドウをつぶしてハイライトの階調を滑らかにするが、このような普通の写真では違和感がある。コンサート中継など専用と言えるかもしれない

人物

 どのモードでも、各階調における肌色の調子に破綻したところはなく、元々の光学回路(偏光板の最適化など)の素性が良いことが読み取れる。

photo ダイナミックはさすがに肌の階調が飛んでしまっているが、明るい場所での視聴には良いだろう
photo ノーマルも顔の立体感が然り描け、暗い背景から明るいところまで、自然なトーンカーブを描く
photo 問題はシネマ時で、ハイライトが強烈に強調されているのがわかる。ダイナミックモードよりもハイライト潰れはひどくなっている
photo ミュージックモードは、こうした暗い背景と人物に強い光が当たったシーンによく合うのがわかる。明るい部分の階調表現は非常に良い
photo スポーツは白黒伸張をかけたような絵となり、コントラスト感や明るさが強調される。やや明るい場所での視聴に使いやすい

風景

photo 色バランスを整えていないダイナミックモードの癖がやや強く出ており、緑かぶりや芝生の緑がやや色純度を下げているところなどが見て取れる。しかし、さほど極端なシフトでもなく、明るさ優先のモードとしては優秀な描写だ
photo ノーマルも他2画像と同じく特に問題は感じられない
photo シネマはここでも、やや高い色温度と強調されたコントラストで、ハッキリ、クッキリした絵作りとなった。オプトブラックをディープにすると、ハイライト側の飛び傾向は緩和されるが、今度はシャドウ部の階調が視認しづらくなる

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