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“リビングシアター”構築のポイント劇場がある暮らし――Theater Style(1/5 ページ)

» 2005年01月21日 21時28分 公開
[本田雅一,ITmedia]

 いまだ正月気分抜けきれず……なんて状況になれればどんなにか幸せだろうが、今年もまた筆者はラスベガスで開催中のInternational CES 2005から新年がスタート。忙しい毎日が始まった。

 筆者と同じように(もしくはそれ以上に)、時間に追われる毎日を送っているのが、「デジタル閻魔帳」でもおなじみのデジタルメディア評論家・麻倉怜士氏。その麻倉氏が忙しい合間をぬって、以前にコラムで紹介した我が家のリビング・ホームシアターにやってきた。

photo 多忙なスケジュールの合間に筆者(左)宅のリビング・ホームシアターにやってきた麻倉怜士氏(右)

 話題は「リビングシアター構築のポイント」について。やや手前みそながら、ごく普通のリビングルームをシアターに仕上げるポイントや機器の使いこなしについて、麻倉氏と話をしてみた。

 編集部注:以下、カギ括弧は麻倉氏の発言。この記事そのものは、本田雅一氏本人が書いている。


部屋のサイズに合ったスピーカー選択を

 我が家の基本的なディメンジョンは、ごく一般的な都会のマンション。角部屋の最上階で隣接戸が少ない事を除けば、ごくごく普通の住居だ。リビングルームは約12畳で、3枚の引き戸を通じて6畳の和室とつながっていた。

 ホームシアター構築に際しては、この間にある壁を取り払い、さらに天井の高さを揃えた(通常、和室の方がやや低い)。ひとつの部屋にしたのは、続き間だと独立した部屋としての使い勝手が悪いためだ。

photo 2部屋の壁を取り払い、天井の高さを揃えた

 2部屋をつなげて広くした上で、梁の下に棚を付けたり、キッチンカウンターの周囲を立て付け家具で機能的にまとめてみたり、あるいはカーテンを収める掻き込み部の覆い替わりに薄型で背の高いCDラックを取り付けたり……などなど。

 この辺りはAVというよりは、建築リフォームの世界になるので省くが、生活スタイルに合わせて家族が集まる中心としてのリビングを見直した結果、広いひとつの部屋ができあがった。我が家の場合、インテリア周りの家具で意見が割れ、そのせいで引っ越してから3年以上もソファーやテーブルのひとつさえ買わずに放置していたことが、逆にシアター向きの部屋を作れる事につながったといえる。

photo 生活スタイルに合わせた結果、広いひとつのリビングルームができた

 そこに配置されているスピーカーは、元々、ピュアオーディオ用として引っ越しに合わせて新調したソナス・ファベールのGrand Piano Homeというトールボーイスピーカー。個人的な好みというよりも、優しく柔らかな音が好みの家人に合わせ、さらに12畳という部屋のサイズを考慮した上での“ちょうど良さ”を考えたものだ。

photo ソナス・ファベールのトールボーイスピーカー「Grand Piano Home」

 もっとも、シアター向けに5.1チャンネル以上のスピーカーを置くとなると、既存のスピーカーをベースに全体のバランスを見直す必要が出てくる。

麻倉氏:「スピーカーの大きさや数と部屋の広さは、実はとっても大切なポイントですよね。大きくて高いスピーカーは偉い、って思いがちですが、大きなスピーカーを置くならば部屋も広くしないと意味がない。大きなスピーカーの作る大きな空気の動きは、小さい部屋だと壁からの大きな反発力を生んでしまいますから、定在波が増えて収拾がつかなくなる。だから、スピーカーの大きさは部屋の広さに合わせて選ぶ方がいいですよね。小さい部屋でホームシアターを作る事は、もちろん問題ないのだけど、その場合には小さいスピーカーの方がいい。小さい部屋に大きなスピーカーは、せせこましい音になって開放感がない」

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