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“リビングシアター”構築のポイント劇場がある暮らし――Theater Style(4/5 ページ)

» 2005年01月21日 21時28分 公開
[本田雅一,ITmedia]

 我が家の場合、センタースピーカーをなるべく高い位置にしたかった(音質面で有利になるため)ため、スクリーン位置もそれにともなって上の方にしている。しかし、より画質に配慮してリビングシアターを作る場合は、スクリーンを壁や天井からなるべく離すようにすれば、再反射の問題をある程度は緩和できるので計画時に考慮するといい。

photo 音質面で有利になるよう、センタースピーカーを高い位置にセットしている

麻倉氏:「まぁ、あとはスクリーンゲインを欲張らないことですね。120インチとなると、それなりにゲインは必要でしょうが、最小限にしておいた方がトータルの画質はいい。黒を沈めるにはグレーマットも有効ですが、発色の素直さを考えると基本はやはりホワイトマットでしょう」

 ホワイトマットという基準で今選ぶとすれば、キクチ科学研究所のホワイトマットアドバンスが個人的にはオススメだ。ゲインは0.85と控えめながら、白ピークもなかなかキレイに伸びて見える上、暗部の浮きもホワイトマットにしては目立ちにくい。

麻倉氏:「そう、あれはいいですね。あのクラスならばホワイトマットアドバンスは爽快感のある画質で非常にいいですね。この価格クラスでは、落ち着いた刺激の少ない絵でOSスクリーンがしばらくベストセラーでしたが、上方向にスクリーンを伸ばして設置するスタイリストとホワイトマットアドバンスの組み合わせは今後の定番になるでしょう」

インテリア性との両立が難しい遮光性

 一方、遮光は最も悩んだポイントだ。我が家のリビングは窓がとても多い。これはリビングルームとしては悪くない事だが、その分、遮光には気を使う必要がある。単純に遮光1級(99.99%以上の遮光率)のカーテンを使っても、直射日光が当たるとかなりの光が入ってくる。

麻倉氏:「遮光カーテンといっても、1枚だけだとダメですよね。うちの場合は遮光1級のカーテンに加えて、もう1枚、暗幕を重ねて暗くしてあります。ただカーテンのボリュームが大きくなり、インテリア性は今ひとつかもしれませんね。デザインの選択肢も少なくなります」

 そこで我が家では遮光カーテンとウッドブラインドのコンビネーションを用いることにした。ブラインドでは、隙間から大量の光が入ってきてしまうが、羽根の部分で遮っているところは完全に影になって光を通さない。目立ちにくいベージュの遮光1級カーテンで全体的な光を大きく減衰させた上で、ボーッと明るくカーテン面から洩れる光の影響をウッドブラインドで遮ることにした。

photo

 結果的には、これがなかなか効果的。暗幕を2重に張り巡らせる場合に比べると、かなり光漏れはあるが、インテリア性と遮光性のバランスという面ではかなり成功した方といえると思う。欠点といえば、ウッドブラインドのコストがなかなかバカに出来ないほどかかったことだが、これには目をつむるしかあるまい。

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