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レゴや飛行船を使ったロボコン、今年も開催

» 2005年02月22日 20時56分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 組み込みソフトウェアにフォーカスしたロボコンが今年も開かれる。「LEGO Mindstorms」を使ったレース「ETソフトウェアデザインロボコン」、飛行船を利用した「MDDロボット・チャレンジ」と、ロケット向けシステムを開発する「Hamana-2」の3つで、それぞれ、ソフトウェア開発者などで構成する「e1グランプリ委員会」が支援する。2月22日に同委員会が都内で開いた説明会には、組み込みソフト技術者や学生など約50人が参加した。

 ETロボコンは7月2〜3日に都内で開催。昨年までの「UMLロボットコンテスト」を改名した。主催は日本システムハウス協会(JASA)

 競技では、「LEGO Mindstorms」で制作したロボットで、1周20メートルのコースを走行する。Mindstormsは光センサーとタッチセンサーを備え、コースの黒い線を認識して自動的に走行する。

 スピードを争う「タイムトライアル部門」と、ソフト設計やモデリング内容を評価する「モデリング部門」の2部門。ハードは共通のため、ソフト設計が勝負を分ける。今年はコース上に“難所”を追加する計画で、ジャンプ台や吊り橋などのアイデアが出ているという。優秀者は11月のチャンピオンシップ大会に出場できる。

ETロボコンで使用するLEGO Mindstormsを見ようと集まった参加者
昨年のUMLロボットコンテストの様子

 同ロボコンの一番の目的は教育だ。大会前に技術研修会を行うほか、参加者間の意見交換を推奨。コンテスト後、各チームのモデル図を全チームに配布し、参考にしてもらう。

 参加申し込みは3月1日から3月22日まで。8歳以上で、組み込みソフト開発に興味があり、他の競技者と意見交換ができるのが条件。参加料は企業が10万5000円(税込み)、個人・大学・高校が2万1000円(同)、中学生以下は無料。昨年は41チームが参加したが、今年は60チームの参加を見込む。

飛行船ロボコン、今年も開催

 自律型飛行船ロボット制御コンテスト「MDDロボットチャレンジ」第2回は、10月17・18日、日本科学未来館(東京・お台場)で行う。こちらも、組み込みエンジニアに実践教育の機会を提供するのがねらいで、情報処理学会ソフトウェア工学研究会(SIGSE)が主催する。

 新たに「砂漠で動物観測をするための飛行船を作る」というテーマを設定し、制御ソフト技術を競う。前回は飛行船を目的地に正確に到達させられるかを競ったが、「非常に難しかった」(東海大学開発工学部の渡辺晴美講師)ため、今回は比較的簡単なコンテストもいくつか行う計画。上昇して元の位置に戻ったり、ある1点で停止する――といった案を考えている。

 参加申し込みは5月まで。ETロボコンと合同で、参加者向けにUMLやハードについての研修も予定している。

ロケット打ち上げコンテストも

 自律飛翔するロケットの組み込みシステムを開発し、技術者の養成に役立てる「Hamana-2」の参加者募集も始まった。「組込みシステム技術に関するサマーワークショップ」(SWEST)が主催し、昨年に続いて2回目となる。

 昨年は、GPSやビーコンを搭載した自律型ロケットを地上百数十メートルまで打ち上げた。今年は昨年の追実験との位置付けで、ロケットの打ち上げのほか、それぞれのチームで設定した課題をクリアしてもらったり、学習成果を発表してもらったりする計画だ。

 3〜5チームの参加を見込む。5月中旬に試射を行い、8月下旬に打ち上げる。

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