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デザインだけじゃない、三洋「CAPUJO」の機能を検証特集:夏ボで狙いたい液晶テレビ(3/3 ページ)

» 2005年07月12日 01時49分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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 リモコンは比較的コンパクトだ。ボタンは整然と並んでいるが、その反面、ボタンサイズやレイアウトにはあまりメリハリがなく、配置にも少々疑問は残る。たとえば画質モードの切り換えは最上段にあるが、「ナイトモード」「スポーツモード」「画面サイズ」の切り換えなどは最下段。関連する機能だと思うので、できれば近い位置にまとめてほしいと感じた。

 また、機能を絞り込んだシンプルなリモコンも付属する。こちらは、ごく普通のテレビ用リモコンに「放送波切換」ボタンが追加されている程度で、テレビを見るための操作なら必要十分。設定変更などは行えないため、子どもに使わせるには便利だろう。

photo 2つのリモコンが付属する。コンパクトな方は、基本的にチャンネル&入力変更、音量調節のみ。メインのリモコンも比較的コンパクトなのだが、ボタンが整然と並ぶ代わり、機能はちょっと雑然と配置されている気がした

 どちらのリモコンも、地上波アナログ、地上波デジタル、BSデジタル、CSデジタルの放送波をダイレクトに切り換えるボタンを装備している。地上デジタルのチャンネル切り換えは、映像が表示されるまで約2秒と中々高速だ(チャンネルアップダウンボタンの場合)。またデジタル放送では、チャンネル操作直後に番組情報が表示される。つまり、映像が出る前に番組内容を把握できるわけだ。比較的高速な映像切り換えと合わせ、チャンネル操作は快適な部類に入るだろう。ザッピング派にも便利そうだ。

 番組表が対応するのはデジタル放送のみ。放送波で、ほぼリアルタイムに取得するタイプだ。一覧は4チャンネル/4時間ぶんだが、地上波デジタルなどでは1つの放送局が2〜3チャンネル利用していることが多く、局数という意味では2〜3チャンネルしか1画面に表示されない。高解像度パネルを使っているのだから、もう少し一覧性に配慮してもいいのではないだろうか? 実際、競合製品の番組表は、もっと柔軟性がある。

photo 番組表は一覧性が今ひとつ。ある程度距離をとって視聴する場合確かにこの程度の文字サイズでいいだろうが、一覧性重視の表示モードも欲しいところ

悪くないデザインと基本操作、発売後の価格に注目

 本機は著名なデザイナーがデザインを手がけた製品ではあるものの、既に触れたように奇抜になりすぎず、設置場所を選ぶような印象もない。デザインだけで買うほどの強烈な個性はないが(白が追加されたら、また別だろうが)、そもそもリビングで使うことを前提にするなら「デザインにも配慮してみました」というスタンスは悪くない。素早い“チャンネル切り換えや2つのリモコンなど、テレビを視聴するためのベーシックな部分は充実している。

 ただし、使いこなそうとすると、ちょっと操作性に不満を感じることがある。たとえば画質の変更は、まずベースになる画質設定を選び、それからメニューを呼び出して、という操作になるのだが、どの画質設定でも平均して明るさを変更しておきたい、といった場合には、かなり面倒な操作になってしまう。スポーツモードを利用していると、先にスポーツモードをOFFにしないと画質モードが変更できないなど、ちょっとイライラすることもあった。まぁ、普通にテレビとして使う分には気にならないレベルだとは思うのだが……。

 AV入出力も充実している。HDMIがあったほうが良いとは思うが、現状では大きなマイナス材料とまではいえない。画質は好みの問題が多いと思うので良し悪しの評価は避けるが、印象としては“爽やか系”で、見やすい画質だと感じた。スポーツモードもなかなか面白い。

 発売前のため、まだ市場価格は高めのようだが、流通開始後の価格に注目したい。仮に競合製品(26型)と同程度の価格に落ち着くのであれば、デザインと機能面のユニークさが引き立ってくるのではないだろうか?

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