「トイ・ストーリー」から出発したピクサーの記念すべき10作目「カールじいさんの空飛ぶ家」が4月21日に通常版とコレクターズ・ボックスの2種類でBlu-ray Disc化。ピクサー長編として初の3D版が作られたが、今回は2D版での発売となる。
通常版は本編BD、特典BD、本編DVDの3枚組。特典映像として短編アニメーション「晴れ ときどき くもり」「ダグの特別な1日」、南米ベネズエラ冒険記、未公開シーン「チャールズ・マンツのエンディング」「結婚生活」、製作の舞台裏「異色のヒーロー」「犬のキャラクターたち」「探検家ラッセル」「伝説の鳥」「カールじいさんの家」「風船と飛行」「音楽」、プロモーション映像、オリジナル版劇場予告編、スクリーンセーバー、シネマ・ナビゲーションを収録。また本編DVDではピート・ドクター監督と共同監督ボブ・ピーターソンによるオーディオ・コメンタリーが楽しめる。コレクターズ・ボックスは2000セット限定で、価格は1万290円。3枚組の通常版に、豪華装丁のアートブックと、オリジナル・プレミアのスカイドームを同梱している。
78歳のカールじいさんは、風船売りの仕事を引退し、亡き妻エリーとの思い出が詰まった家で、孤独な余生を過ごしていた。自宅の立ち退きを要求されるが、老人ホームへの引越しに抵抗を感じた彼は、ふとエリーとの約束を思い出す。それは南米にある伝説の滝「パラダイス・フォール」へ旅すること。カールじいさんは家にカラフルな風船をつけて空を飛び、いざ南米を目指す。家は無事に離陸するが、近所のラッセル少年も乗っていて……。
監督は「モンスターズ・インク」のピート・ドクター。家がふわりと浮かび上がる感動的なシーンで描かれた風船の数は2万622個。そして家が空を飛んでいるシーンでは1万297個の風船が描かれている。この1万297個という数は、実際に建築家に家の構造を検証してもらった上で、家を飛ばすことができるリアリティがある数字だという。1週間の作業でできるのは、たった4秒分のアニメーション。スタッフの頑張りに頭が下がります。
特にアニメ好きというわけではないけれど、ピクサー魔力はやっぱりスゴイ。何がスゴイって冒頭の10分。カールと妻エリーの出会いから別れまでがセリフもなくシンプルに、走馬灯のように描かれ、これだけで見る価値は十分にあり。思い出が詰まった家具を捨ててまで家を空へと飛ばすシーンは、涙なしにはみられない。
目的地の滝に着いてからはドタバタ冒険ものにシフト。このあまりのギャップに好き嫌いが分かれそうだが、それでも愛想ゼロのカールじいさんと丸顔のラッセル少年の親子のような絆や、愛嬌たっぷりの犬と極彩色のオトボケ鳥の絶妙な活躍など、元気と勇気がもらえて、オールターゲットに訴求できる仕上がり。さすがピクサーと思わせる快作だ。
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