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どうなる? これからの「ラジオ」デジモノ家電を読み解くキーワード

» 2010年04月08日 19時10分 公開
[海上忍,ITmedia]

ケータイのデジタルラジオはあと3カ月

 2010年4月現在、日本におけるラジオ放送は、大きく「地上波系」と「衛星系」の2種類に分けることができる。車や電車など移動中にも聞くことができ、少ない初期投資で楽しめるという“ラジオらしい”特性を備えるのはそのうち前者で、中波(AM)/短波/超短波(FM)に区分されたうえで地域別のサービスが提供される。

 同じ地上波でもテレビ放送は2011年に停波するが、地上波のラジオ放送は今後も継続される。デジタル放送(地上デジタル音声放送)の計画はあるものの、新しい放送サービスという位置付けで、アナログからデジタルへと置き換えられるテレビとは事情が異なる。

 その地上デジタル音声放送、現在実用化に向けての試験放送が実施されているが、今年7月に終了となる。試験に利用されている周波数帯(VHF 7ch付近)が、地上アナログテレビ放送の停波後、警察や消防の無線通信用に割り当てられたためで、地上デジタル音声放送にはVHF 1〜3ch相当の周波数帯が確保されている。

 そうなると、現在一部の携帯電話・地域(東京/大阪)が対応している地上デジタルラジオ放送は、聞くことができなくなる。業界団体である社団法人デジタルラジオ推進協会のWebサイトには、「実用化試験放送が終わる2011年7月24日で、使えなくなります。その後は新たなマルチメディア放送に対応した専用受信機が必要となります」と明記され、ユーザーへの注意が促されている。

新サービス開始でラジオ復調の兆しも……!?

photo iPhoneアプリの「ラジ朗」

 今後も変わらず存続する地上アナログラジオ放送だが、リスナーの減少や広告出稿量の低迷を受け、新しい試みを開始した。AM/FM/短波ラジオ放送をインターネットでサイマル配信する「radiko.jp」がそれだ。8月31日までの期間限定、東京・大阪圏のみ対象の実用化試験という位置付けだが、サービス開始の3月15日から1週間の総ストリーム数が523万、Webページの総ページビューが約4710万と、好調な滑り出しを見せている(関連記事)。デジタルゆえのクリアな音質も好評だ。TwitterなどPC/スマートフォン向けサービスとの親和性の高さを指摘する声もあり、試験終了後の動向が注目される。

 巷の盛り上がりを受け、非公式なiPhoneアプリもさっそく公開されたが、4月7日にradiko側が「セキュリティ強化」を実施し、radikoからブロックされるアプリも出てきた(関連記事)。IPサイマルラジオ協議会は、「独自の広告掲載やエリア外の聴取を可能にするサービスが一般化すると、実用化が困難になる可能性もある」と理解を求めているが、冷や水をかける格好になったのは残念。「iPhone、androidなどモバイル対応も検討中」(WebサイトのQ&Aより)とされているが、早めの対応が期待される。

執筆者プロフィール:海上忍(うなかみ しのぶ)

ITコラムニスト。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザにして大のデジタルガジェット好き。近著には「デジタル家電のしくみとポイント 2」、「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(いずれも技術評論社刊)など。


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