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» 2011年05月30日 13時52分 UPDATE

iPod Style:科学と魔術が交差する時、“魔法の杖”が完成した? 「カイミラ」発売記念パーティー

2011年5月25日、英国大使館では、とある「魔法の杖」の日本発売を記念する小さなパーティーが開かれていた。

[記事協力:納富 廉邦(TEXT LIFE),iPod Style]
iPod Style

 5月25日、英国大使館では、とある「魔法の杖」の日本発売を記念する小さなパーティーが開かれた。英国大使館の一等書記官であるレイチェル・ベイフィールド氏による挨拶によって紹介されたのは、英The Wand Company製の魔法の杖型学習リモコン「カイミラ」(KYMERA/WRC10209)。

ts_kymera01.jpg 英国大使館

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 このカイミラ、イギリスでは2年前から販売されており、今年2月に行われた「東京インターナショナル・ギフト・ショー」にも展示されていたのでご存知の方も多いと思うが、この4月からリンクスインターナショナルがパートナーとなって国内発売を開始した。日本での売れ行きも好調で、初期ロットの1000本は即日完売。次回ロットの4000本もほぼ完売の予定という(アマゾンには在庫がある。買うなら今なのかもしれない)。価格はオープンプライスだが、実売価格は6980円前後、アマゾンでは6100円で購入できる。

ts_kymera02.jpgts_kymera07.jpg 「カイミラ」を紹介する英国大使館の一等書記官レイチェル・ベイフィールド氏

 そんな「カイミラ」を紹介してくれたのは、The Wand Companyの共同創始者であり、カイミラを開発したクリス・バルナルド氏。彼によると、開発のきっかけは、彼が運営するサイト「dadcando.com」(お父さんに出来ること、という親子で遊ぶアイディアを集めたサイト)で、紙で作る魔法の杖のコーナーが人気を博したことだという。サイトにはさまざまな手作りの魔法の杖が紹介されているが、どれも、オカルティックでありつつ、どこか現代風のデザインになっているのが面白い。

ts_kymera05.jpgts_kymera06.jpg リンクスインターナショナル 代表取締役、川島義之氏(左)。The Wand Company 共同創始者のリス・バルナルド氏(右)

 そんな杖を使って、バルナルド氏が自分の子どもに、自動的にテレビがつく魔法を使って見せたのが、この製品の始まりだった。要するに、リモコンを隠し持って、杖を振る動作に合わせてテレビを操作したわけだが、これが想像以上に子ども達に大受けだったのだそうだ。その様子を、身振り手振りを交えて話すバルナルド氏は、開発者というより1人の父親で、「カイミラ」の、ボタンが1つもなく、ねじなども表に露出しない、本当にただの杖にしか見えないデザインが子どもに喜んでもらおうという考えから発しているのが良く分かる。

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 杖のデザインは、イギリスで魔法というとイメージしやすいハリー・ポッターではなく、19世紀のイギリス、ヴィクトリア朝の時代を背景に、現代とは別の流れで発展した科学技術を詰め込んだ、いわゆるスチームパンクを意識したものになっていて(このカイミラが発売された2009年あたりから、イギリスで起こったネオ・スチーム・パンク・ブームの影響が強いと思われる)、バルナルド氏自身もスチームパンク・ガジェットという言い方をしていた。グリップ部分のガス灯を思わせるデザインと、スッキリしたステッキ状の先端部との組み合わせは、何というか“本格的なオモチャ”といった印象で、大人の部屋に置いておけるムードがある。

ts_kymera010.jpg プロトタイプ(上より3つ)と量産品(一番下)までのデザインの変遷

 前の「カイミラ」は、神話上の怪物「CHIMERA」からとって、その頭のつづりを「CHI」から「KY」に変えたものだという。「CHIMERA」は、日本では「キメラ」または「キマイラ」と言った方が通りがいいと思うが、要するに、ギリシャ神話のライオンの頭と山羊の胴体、蛇の尻尾を持つ怪物で、日本で言えば鵺(ぬえ)みたいな奴のことだ。魔法の世界とリモコンという科学の世界の合成物、という意味を込めたのかもしれない。日本で言えば、“科学と魔術が交差する時”だ。

 バルナルド氏によるデモは、テレビを操作し、扇風機を回し、iPodをも操作するという多彩なもので、本人がとても楽しそうなので、多少反応が悪かったり、うまくいかなかったりしても、それが魔法っぽくて、妙なリアリティーがあった。ステッキを「強く振る」「上下に振る」「左右に振る」「左右に回す」「前に押し出す」「手前に引く」「叩く」などの全13の操作に13のリモコン信号をアサイン出来る仕掛け。一般の学習リモコン同様、クーラーなどの特殊な波長を使っているものは、上手く学習できないこともあるという。

 本体の材質はABS樹脂。電源は単4電池2本で約6〜8カ月持つ。外形寸法は20×353ミリ(直径×長さ)。重量は電池込みで約70グラム。本体は加速度センサーを搭載するがジャイロは搭載せず。一発で決まる動作もあれば、コツが要る動作もあって、それもまた魔法の杖っぽい。ボタンを排したデザインからも分かるように、機能ではなく、ゼスチャーに動作が反応する面白さに主眼が置かれた製品なのだ。

杖でコントロールする電気の蝋燭「カンデラ」も登場

 カイミラと同じようなコンセプトの新製品としてLED照明機器の「カンデラ」も紹介。こちらは、杖でコントロールする電気のそうそく。カイミラと同じようなデザインの杖で、オンオフができるほか、息を吹きかけて消すこともできる。ゆらゆらとろうそくのように光がゆらめくため、より吹き消すなどの動作がいきる。

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 また、カイミラの次期バージョンでは、4モードに各10個の動作を割り当てるなどを考えているという話も出た。バルナルド氏が開発している以上、そうそう機能優先的な製品になることはないと思うが、くれぐれもグリップにボタンが並ぶような無粋なことにはならないようにしてほしいものだ。この製品の面白さは、「便利」とは全く違うところにあるのだから。

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