本村氏: 実は最初、「単体のタイムシフトマシン」という発想はなかったんです。しかし、「CELL REGZA」を発表したとき、「箱だけ売ってくれ」とすごくいわれました。逆に、「ディスプレイだけほしい」という人も多くて、「両方やらなきゃいけないな」と思いました。
まず、タイムシフトマシン搭載の“REGZA”「ZG2シリーズ」で、皆さんの手が届くような価格帯を実現しました。ユーザーの方からは、「もう普通のテレビには戻れない」とよくいわれるます。では、最近テレビを買った人は、(全録のために)買い換えなければならないのでしょうか。それなら個別に商品化しましょう、というのがレグザサーバーのコンセプトです。
一方、われわれの「REGZA WORLD」を実現する上では、コンテンツサーバも必要でした。とくに日本は地上デジタル放送が充実しているので、コンテンツには困りません。それを実現するには、地デジを大量にキャッシュしてゆったりと楽しめるタイムシフトマシンが最適なのです。
――「REGZA WORLD」では、テレビの視聴環境としてタブレットも重要な位置を占めています
本村氏: 今年4月にPCとAVの事業部を統合しましたが、(テレビを担当する)私自身、今は3分の1くらいタブレットのことを考えています。これはすごいことです。タブレットがPCから発展してきたものであることは明らかですから、事業部が分かれていたら、こんなことはなかったでしょう。
一方、テレビの視点で考えると、タブレットは小型テレビにとって変わるものかもしれません。REGZA Tabletは、明確に「ハイビジョンタブレット」を打ち出している、映像を楽しむためのタブレットです。「スマートテレビ」というと、どうしても大画面にアイコンが並んでいるところを想像してしまいますが、パーソナルなスマートテレビを考えたら、それはタブレットではないでしょうか? 実際、タブレットでテレビを視聴すると新鮮な気持ちになりますよ。
発表会で「タブレットを事業の柱の1つにする」と言ったのは、テレビの進化の上にも、PCの進化の上にも、タブレットがあるからです。市場の拡大はまだこれからですが、拡大の余地は無限大にあると思います。東芝は今後、タブレット市場の拡大を牽引していきたい。映像をとことん楽しむためのタブレットという、新しいカテゴリーを作っていきたいと考えています。
――小型テレビはタブレットに市場を奪われることになるかもしれません
本村氏: そうなると思いますし、そうなることが“発展”だと思っています。
例えば、キッチンにいる奥様が、「クックパッド」のレシピを見ながら料理をして、ついでに昨晩のドラマの続きを見たりすることもできます。これは“発展”でしょう。
ハードウェアの垣根を越えるのが「REGZA WORLD」。映像を楽しむための提案であり、その中にはSNS含めてさまざまなコンテンツやコミュニケーションを場所や時間に縛られずに楽しめる。機器がナビゲーションすることで膨大なコンテンツの中から目的のものを探す手間を省き、便利に知的に楽しむことを提案していきます。もちろん、そのためにハードウェアだけでなく、「レグザAppsコネクト」のアプリも考えていきます。
――こうなると、スマートフォンの事業を手放したことが少し残念に思えます
本村氏: そんなことはありません。富士通さんとはかなり強力に連携していますし、REGZAで培った高画質のノウハウは「REGZA PHONE」に生きています。その名の通り、REGZA PHONEは「REGZA WORLD」の仲間。今後も便利で楽しい提案をしていきます。
本村氏: 今回の発表では、とんがった商品を3つ、いえ“UltraBook”の「dynabook R631」を含めて4つ発表しました。いずれも今後のデジタル機器の進化の方向性を明確する4アイテムであり、われわれは大きなジャンプアップだと考えています。今後もわれわれは攻め続けていきますよ。
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