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ダイレクトで奔放、これが素のシュアか? 「SE535 Special Edition」野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review(1/2 ページ)

» 2011年10月17日 12時51分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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 ヘッドフォンからテレビ、ホームシアターまで、さまざまなジャンルの数多あるAV系新製品のなかから注目の新製品をピックアップし、いち早いレビューをお送りしていく「野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review」。今回はシュアが投入する最上級カナル型イヤフォン「SE535 Special Edition」(型番:SE535LTD-J)をいち早く試聴することができたので、そのインプレッションをお届けしよう。

渋めのレッドを採用した「SE535 Special Edition」

 「SE535 Special Edition」は、その名の示すとおり「SE535」のスペシャルバージョンで、アジアのみの地域限定で販売されることになっている。詳しい話を聞くと、どうもシュア・ジャパンから製品の企画があがり、それを知ったアジア地区のディストリビューターが「せっかく作るのならうちでも」と販売に手を挙げるいう順序で広がり、最終的には日本を含むアジア各国で販売されることになったようだ。そういった成り立ちのため、「アジア限定」といっても製品のディテールに関しては、日本からのリクエストが大いに反映されているという。

 では、レギュラーモデルとは異なる部分を中心に、製品を見ていこう。まずは外観から。ボディーシェルは、レギュラーのクリアやブロンズとは異なるレッドカラーが採用されている。しかも派手派手しい赤ではなく、ちょっと暗めの赤をチョイスしているため、思ったよりも落ち着いた雰囲気がある。さらにブロンズカラーと同じく、内側からのメッキ処理が施されているため、質感もかなり高い印象がある。

SE535との比較。内側からのメッキ処理が施されているため、質感もかなり高い

 いっぽう付属するケーブルも、形状はまったく同じながらSE535 Special Edition専用となる(すこしブルーががっている)ライトグレーカラーのものが用意された。しかも長さが116センチと、これまでの付属品よりも短い寸法となっている。これも、日本国内から上がっていた「もう少し短めのケーブルが欲しい」というリクエストに応えたものだという。

 さらに、SE535 Special Edition最大の特長といえるのが、レギュラーモデルと異なる独自チューニングが施されていることだ。3ドライバーによる構成はそのままに、イヤーパッド内側のノズル(本体から飛び出している筒状の部分)に配置されている「周波数フィルター」を変更、これによって高域特性と周波数帯域(18Hz〜19kHzから18Hz〜19.5kHzへ)が向上し、のびのびとした、ヌケのよいサウンドに生まれ変わっているという。

ライトグレーのケーブルは116センチと少し短め。ノズル部分に配置された周波数フィルターで音の違いを出している

 しかもこのサウンドチューニングの変更も、シュアジャパンからのリクエストにアメリカ本国が応えたものだという。「日本人向けの専用チューニング」を作り上げてくれたというのだから、がぜん興味がわくというものだ。

ダイレクトで奔放、これが“素のSE535”か?

 果たしてそのサウンドはというと、レギュラーモデルから格段に向上した音源の近さ、ダイレクト感の高さに驚いた。ベースを1〜2枚はいだかのように、音がとてもリアルに聴こえるのだ。ヴォーカルもギターも実体感が高く、演奏が一段と印象的に変わっている。打ち込みのベースでさえ、力強さが増したかのようだ。

 高域のキレもよく、なかでもフォルテッシもで歌い上げる女性ヴォーカルの突き抜け感が素晴らしくいい。まるでライブの会場の最前列にいて、目の前で歌い上げているヴォーカリストの声に、体が共振してしまっているかのような錯覚すら覚える。

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