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レンズに合わせてボディーを選べる シグマ「マウントコンバーター MC-11」が楽しい4月22日発売(1/2 ページ)

» 2016年04月22日 06時00分 公開
[三井公一ITmedia]
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 シグマが、自社製のシグマSAマウントレンズとキヤノンEFマウントレンズを、ソニーEマウントに装着、使用できる「マウントコンバーター MC-11」を4月22日に発売した。この製品は、お披露目となったCP+ 2016でも大きな話題となったが、「レンズに合わせてカメラボディーを選ぶ」という新しい撮影スタイルを大きく進めるものになりそうだ。

SIGMA MOUNT CONVERTER MC-11 マウントコンバーター MC-11を付けたα7 IIとシグマSAマウントレンズ

 MC-11は、シグマSAマウントレンズとソニーEマウントに装着するSA-E版と、シグマ製キヤノンEFマウントレンズをソニーEマウントに装着するEF-E版が存在する。MC-11には、装着できるシグマレンズのデータが搭載されており、それを活用して高速なオートフォーカスを実現している。また露出制御や手ブレ補正機能、周辺光量、歪曲収差、倍率色収差などにも対応しているので、まるでシグマのソニーEマウントレンズであるかのようにレンズを使うことが可能なのだ。近ごろのシグマのレンズは優秀な性能を誇るものが多いので、ソニーEマウントユーザーにとっては、レンズの選択肢がグンと拡がり撮影をより楽しめることになりそうだ。

 今回はMC-11のSA-E版を使用して、シグマSAマウントレンズを、ソニーの「α7 II」「α7R II」「α7S II」で撮影してみた。結論から言うと、ほとんどのレンズで問題なく普通に撮影が可能であった。シグマのWebサイトで公開されている動作保証リストに掲載されていない古めのレンズでも、動作するものがあったり、テスト中に新しいファームウェアがリリースされておらず、高速にオートフォーカスが動作しない新しいレンズも存在した。動作保証となるArt、Contemporary、Sportsの3ジャンルに分類されるシグマグローバルビジョンレンズは、SIGMA USB DOCKによるファームウェアアップデートがユーザー自身で可能なので、リリースされ次第最新版にすれば、より快適な動作と性能を手に入れることができるはずである。

 MC-11を使うのは簡単だ。レンズとボディーの間にMC-11を装着するだけでいい。レンズ装着時にMC-11のLEDがグリーンに点灯すれば対応レンズ、グリーンの点滅だとレンズファームウェアのアップデートが必要で、オレンジの点滅だとMC-11のファームウェアを更新する必要がある。LEDが点灯しない場合は非対応レンズ、ということになる。基本的にオートフォーカスはAF-Sに対応するが、レンズによってはDMF(ダイレクトマニュアルフォーカス)対応のものもある。ファストハイブリッド対応のα7 II、α7R IIでの撮影はなかなか快適だったが、α7S IIではややもたつく印象を受けた。これはボディーの問題なので仕方がなさそうだ。

 写りに定評のあるシグマレンズを、ソニーEマウントで使えるようになるのは実に素晴らしい。Eマウントユーザーには大きなメリットだが、実は一番嬉しいのはシグマSAマウントレンズを使っているシグマ一眼レフユーザーではないだろうか。ソニーα7シリーズとMC-11を購入する必要があるが、今までAPS-Cフォーマットの「SIGMA SD1 Merrill」で使っていたフルサイズ用のArtレンズを、これでフルフレームで使えるようになるし、まだ日の出ている明るい時間はSD1 Merrillで撮影し、暗くなってきたらα7S IIにスイッチして高感度撮影、というように、使用レンズに合わせてカメラボディーを選んで撮影ができるようになるからである。

 シグマは現行のレンズ交換式ボディーがSD1 Merrill 1台しかないので、サブボディーとしてソニーEマウントを使う価値は大いにある。キヤノンユーザーがMC-11のEF-Eを使ってソニーEマウントボディーを使うメリットより、さらに撮影の幅が広がるのは間違いない。キヤノンにはα7R IIと同様な高画素機EOS 5Dsシリーズもあるし、α7S IIほどではないが高感度に強いボディーも存在するからだ。

 近い将来登場するミラーレス一眼「sd Quattro」、そして「sd Quattro H」とシグマSAマウントレンズとMC-11、そしてソニーEマウントボディーの組み合わせはなかなか面白そうだ。

SIGMA MC-11 プログラム(F4.5、1/60秒)、ISO100、WB:オート、露出補正:0EV、レンズ:SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSM | Art、焦点距離:38mm、カメラ:α7S II

 シグマの高性能な標準ズームレンズをα7シリーズで使えるのがいい。1本だけボディーに装着して、街中をブラブラと撮影しながら散策できる。F4通しで使いやすく、シャープな絵を手に入れることが可能だ。

SIGMA MC-11 絞り優先オート(F8、1/80秒)、ISO5000、WB:デイライト、露出補正:-1.3EV、レンズ:SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSM | Art、焦点距離:68mm、カメラ:α7S II

 高感度に強いα7S IIならば、SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSM | Artだけ持って撮影旅行に出かけてもあらゆるシーンでシャッターが切れる。ISO5000はシグマのカメラではちょっとキビシいのだ(笑)

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