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マッハ36!? ベリリウムコート振動板を採用した初のヘッドフォン、マクセル「MXH-MD5000」登場

» 2016年06月09日 20時35分 公開
[ITmedia]
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 マクセルは6月9日、ベリリウムコート振動板を採用した初のヘッドフォン「MXH-MD5000」の試聴会を開催した。4月の「春のヘッドフォン祭」に「マッハ36」という“うたい文句”を添えて展示していた密閉型のハイレゾ対応ヘッドフォンだ。6月11日に発売する予定で、実売想定価格は3万9800円(税別)。

「MXH-MD5000」。ベリリウム振動板を採用したイヤフォンはいくつか存在するが、ヘッドフォンは初めてだという

 ベリリウムといえば、JBLの「Project EVEREST DD66000」やTAD「Evolution one」シリーズといった高級スピーカーに採用例の多い素材だ。その特徴は、まず音の伝播速度が速いこと。「ベリリウムは1万2302m/sという高い音伝導性を誇る。これはチタンやアルミの約2.5倍。音速(マッハ1=340m/s)の約36倍という速さ」(同社)。振動板全体が一体として音を再現することで、とくに高い周波数の再現性に優れる。

ベリリウムの物性そのものが強みだという

 同社がベリリウムを採用した理由はそれだけではない。2つめは剛性(固さ)。振動時に音の濁りの原因となる振動板の分割振動を抑制できる。3つめはレスポンス特性を高める“軽さ”、4つめは高い内部損失だという。「振動板自体が響きにくく、音の汚れが少ない。こうしたベリリウムの持つ“物性”に強みがある」(同社)

 振動板以外にも特徴がある。例えばハウジング内には、同社製イヤフォンでお馴染みの「デュアルチャンバー構造」を設け、ドライバーの振動効率をアップ。アラウンドイヤー型のイヤーパッドは立体縫製として遮音性を高めるとともに聞き疲れしにくい装着感を実現したという。再生周波数帯域は20〜4万Hz。感度は96dB/mW。インピーダンスは32Ωとなっている。

内部構造。音響レジスターを5層にわたって使用。緻密に音域バランスを調整し、フラットな再生音を実現したという

 ケーブルは着脱式で、パッケージにはモバイル用の1.2mと家庭用の3mのケーブルを同梱(どうこん)する。ヘッドフォン側のコネクターはネジ付きの3.5mmジャックとなっており、対応するケーブルがあればバランス駆動も可能だ。ただし、今のところ同社ではバランスケーブルを発売する予定はないという。

ハウジングには「m」のマーク(写真=左)。ケーブルは着脱式(写真=右)

 なお、発売日の6月11日にはポータブルオーディオ専門店の「e☆イヤホン」秋葉原店で試聴会を行う。開催時間は11時〜18時。

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