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家電は“電気の通った家具”――10年先も愛される製品を目指す「GLAPS」(1/3 ページ)

» 2016年08月22日 14時48分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]
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 海外企業への事業売却などが相次ぎ、ネガティブなニュースの多い国内の白物家電業界だが、一方で新たにこの市場に参入したメーカーもある。彼らはどこに勝機を見いだし、どのような戦略を持っているのか。今回は、エアクリーナーの分野に新規参入を果たしたREVSONIC(レブソニック)の家電ブランド“GLAPS”(グラップス)について、クリエイティブディレクターを務める坂口信貴氏に詳しい話を聞いた。

REVSONIC(レブソニック)のコンシューマー部門を統括する坂口信貴氏

 レブソニックという社名を知る人は少ないかもしれないが、坂口氏はPCユーザーにとって実は馴染み深い存在だ。星野金属工業時代にアルミPCケースのムーブメントを起こし、2004年にアビーを設立してからは国産3Dプリンターやハイレゾ対応PCといった先進的な製品で存在感を示している。そのアビーが2015年6月にレブソニックの資本を受け入れて子会社となり、坂口氏はアビーの社長を続けながら、レブソニックが新規に参入する家電事業の陣頭指揮を執ることになった。

「GLAPS」の除菌・消臭エアクリーナー「V1」。価格は各3万9800円(税別)
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 レブソニックは、自動車、通信、デジタル家電など多岐にわたる分野で電子機器の製造開発やLSI設計といった業務を請け負ってきたODM企業だ。「レブソニックは、半導体開発を中心とするエンジニア集団です。260人ほどのスタッフは大抵がエンジニアで、その技術を大手メーカーに提供する形でビジネスをしてきました」と坂口氏。B2Bのため知名度こそ低いものの、技術力は折り紙付きだという。

 「その技術を表に出して、新しい“モノのあり方”を伝えていきたいと昨年10月にコンシューマー部門を立ち上げ、アビーと資本提携しました。アビーとしては今まで以上のリソースを得られる上、家電にも興味があったので組むことになりました。開発は基本的にレブソニックが行い、販売などのマーケティングはアビーが担当するという形になっています」

「elemiah」(エレミア)ブランドの「EPH-1501」は、ホコリなどを巻き上げず、室内も乾燥しにくい遠赤外線パネルヒーターだ。本体の厚さが3.3cmとスリムで、移動や収納も容易になっている
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 現在は「elemiah」(エレミア)と「GLAPS」という2つのブランドを展開しているレブソニック。elemiahは暖房機、GLAPSはエアクリーナーと製品は異なるものの、ミニマルなデザインと新しい技術を積極的に取り込む姿勢は共通だ。例えばGLAPSブランド最初の製品となったエアクリーナー「V1」には、強力な光触媒技術「MaSSC」(マスク)が採用されている。

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