アビーは4月22日、「ハイレゾ」ロゴマークを取得したオーディオ用PC「ADIVA」シリーズを発表した。オンキヨー製の据置型DAC「DAC-1000」とセットにした「K10」(型番:AD-K10)とハイレゾ対応サウンドボードを搭載した「K1」(型番:AD-K1)の2機種をラインアップ。それぞれにアクティブスピーカーをバンドルしたモデルも用意する。同日より同社直販サイトでBTOによる販売を開始した。
「ハイレゾ」ロゴマークは、昨年6月に日本オーディオ協会が定義したハイレゾ機器の条件を満たしているという“証”だ。ロゴを使用できるのは会員企業に限られるため、アビーはPCメーカーとして初めて日本オーディオ協会の会員企業となった。もちろんハイレゾロゴを取得したPCが発売されるのも初だ。
もっとも、日本オーディオ協会が定義した“ハイレゾ対応機器”は、アンプやスピーカー、ヘッドフォンなどに限られており、PCは想定されていない。しかし関連製品の増加と市場の拡大、ADIVAシリーズの仕様などを鑑み、ロゴの取得が認められた。今後、日本オーディオ協会はハイレゾ対応機器の定義を拡張する見通しだ。
ADIVAシリーズは、「DAC-1000」のサイズやデザインに合うように設計されている。フロントパネルには厚さ5ミリのアルミ素材を使用し、表面にヘアライン加工を施したほか、スイッチ類も削り出し。サイズは約215(幅)×199(高さ、DAC-1000を含む)、295(奥行き)ミリとミニコンポとほぼ同じサイズになっている。
筐体(きょうたい)は、ノイズ(雑音)および電磁ノイズの低減と制振性に力を入れたもの。肉厚のアルミニウム素材を使ったモノコックシャシーで剛性と放熱性を確保し、電源にACアダプターを使用してファンレスとした。ストレージもSSDのため、光学ドライブ以外に駆動部(=音が出る部分)はない。さらにアルミ削り出しのインシュレーターもおごった。
各フレームの接合部には制振スポンジラバーシートを装着し、ネジどめ部分にも同素材のワッシャーを使用。ケースの内側には旭化成の非磁性体シート「パルシャットMU」を貼り付け、電磁ノイズを遮断している。
OSはWindows 8.1で、ハイレゾ再生ソフトの定番といえる「foobar2000」をプリインストール。独自のチューニングとカスタマイズを施したという。
スマートフォンやタブレットをリモコンにすることも可能。Webコントローラー「aLink」で楽曲の選択から再生操作、音量調節などが行える。ユニークなのはPCのシャットダウン機能。PCをオーディオ機器ライクに利用できるのが特徴だ。「ターゲットは、これからハイレゾ音源を聴きたいというユーザー。とにかく簡単に使えるように作った」(アビーの坂口信貴社長)。
「K10」に付属する据置型USB-DACは、オンキヨーが2010年に発売した「DAC-1000」。5年前の製品ではあるが、バーブラウン(TI)の192kHz/32bit対応DACチップ「PCM1795」をデュアル搭載した高級機だ。一方の「K1」には、同じくオンキヨーのサウンドボード「SE-90PCI」が装着されている。DACチップはウォルフソンの「WM8716」(最大192kHz/24bit)となっている。
スピーカー付きモデルには、オンキヨーのアクティブスピーカー「GX-500HD」が付属している。またスピーカー付きモデルを選択した場合、BTOで「GX-77M」や「GX-100HD」を選択することも可能だ。
標準構成の仕様と価格は下表の通り。
製品 | K1スピーカー付き | K1スピーカーなし | K10スピーカー付き | K10スピーカーなし |
---|---|---|---|---|
CPU | AMD E1-2100(1GHz) | Intel Celeron J1900(2GHz) | ||
メモリ | 4Gバイト | |||
SSD | 256Gバイト | |||
光学ドライブ | 6倍速BD-ROMドライブ | |||
グラフィック | AMD Radeon HD8210 | Intel HDグラフィックス | ||
サウンド | オンキヨー SE-90PCI | Realtek ALC887-VD | ||
DAC | 同上 | オンキヨー DAC-1000(別体) | ||
スピーカー | オンキヨー GX-500HD | なし | オンキヨー GX-500HD | なし |
OS | Windows 8.1 64ビット版 | |||
価格(税別) | 17万9800円 | 15万9800円 | 25万9800円 | 22万9800円 |
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