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スリムに変身したソニーの“ハイレゾ対応ブラビア”(1/2 ページ)

» 2017年05月08日 19時58分 公開
[ITmedia]

 ソニーは5月8日、有機ELテレビの「A1E」シリーズを含む“BRAVIA”(ブラビア)新製品5シリーズを発表。継続モデルとなる液晶フラグシップの「Z9D」シリーズと合わせ、2017年春のラインアップが完成したことになる。

本格的なスピーカーを搭載した「X9500E」シリーズ

 液晶テレビの中で最も大きく変化したのが、上位機にあたる「X9500E」シリーズだ。画面の両サイドに本格的なスピーカーを取り付けた「X9200A」シリーズ(2013年発売)以来の“ハイレゾ対応4Kモデル”だが、これまでの大口径スピーカーを小型の角型ユニットに代えてスリム化。前モデルにあたる「X9350D」シリーズに比べて10cmの狭額縁化を果たした。

スリム化を果たしたスピーカー部。上からパッシブラジエーター、ウーファー、ツイーター(丸い部分)、ウーファー、パッシブラジエーターとなっている

 3Wayのスピーカーにパッシブラジエーターを加えた構成は変わらないが、サイズが小さくなった分、ユニット数は増えた。画面サイドには、中央にツイーター、その上下をウーファー、さらにその上下をパッシブラジエーターで挟むスタイルで、スタンド内側にはサブウーファーを内蔵した。スタンド設置であれば、ハイレゾ音源のクオリティーをスポイルせずに楽しめるという。

スタンド部にはサブウーファーが入っている

 パワー不足を補うため、振動板は軽量で剛性の高いカーボンファイバーを採用。またウーファーとサブウーファーについては従来機同様、磁性流体スピーカーとした。磁性流体は、1960年代にNASAで開発された磁力に反応する液体で、ボイスコイルが駆動する磁気ギャップ部分に用いると高効率のサスペンションとなる。通常のダンパー構造に比べてボイスコイルから振動板への振動伝達ロスが減り、音の歪(ひずみ)を抑えつつ中高域の再生能力が向上するという。

 スリム化と合わせてデザイン面にも一工夫。背面は“ねじ穴”やカバーの繋ぎ目が分からない格子状のデザインが施され、一部は取り外しが可能。ケーブルガイドも用意しているため、すっきり収納できる。なお、壁掛け設置にも対応しているが、この場合はサブウーファー内蔵のスタンドを使用できないため、“ハイレゾ非対応”になるという。

背面もきれいにデザイン

Dolby Visionまでサポート

 映像エンジンは上位モデルのZ9Dシリーズや有機ELテレビのA1Eシリーズと同じ「X1 Extreme」。エッジライトながら“飛び地”の部分駆動を可能にした薄型バックライト技術「Slim Backlight Drive+」(スリムバックライトドライブ プラス)に、バックライト電圧を上げてピーク輝度をかせぐ「X-tended Dynamic Range PRO」(エクステンディッド ダイナミックレンジ プロ)の連携によってコントラストを向上させた。

 なお、今春の新製品は全機種がUltra HD Blu-ray再生に必要なHDR 10と放送波用のHLG(Hybrid Log-Gamma)に対応しているが、X9500EとA1E、Z9Dの3シリーズについてはファームウェアアップデートによりDolby Visionまでサポートする予定だ。Dolby VisionはUltra HD Blu-ray規格のオプションとして採用されており、対応コンテンツも増えてくることが期待されている。

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