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Astell&Kernの新フラグシッププレーヤー「A&ultima SP1000」発売日・価格確定 実機を試聴してきた

» 2017年06月16日 13時10分 公開
[井上輝一ITmedia]

 アユートは6月16日、“Astell&Kern”ブランドの新しいフラグシップモデルとなるハイレゾ対応ポータブルオーディオプレーヤー「A&ultima(エー・アンド・ウルティマ) SP1000」のステンレスモデルを7月7日に発売すると発表した。価格は49万9980円(税込)。同日から予約できる。なお、カッパーモデルは「近日発売」としつつも具体的な発売日は確定していない。

「A&ultima(エー・アンド・ウルティマ) SP1000」のカッパーモデルとステンレスモデル

 A&ultima SP1000の実機を触る機会があり、少しだが試聴もできたので写真を交えて簡易的なレビューをしよう。

「TARNSJO」製のプレミアムレザーケースや、木製パッケージがついてくる

 カッパーモデルとステンレススチールモデルでは、筐体の素材以外に違いはない。カッパーのほうが素材的に重いだろうと想像して持って比べてみると、重さはほとんど変わらなかった(ステンレススチールモデルが約386.6g、カッパーモデルが約387.9gと1g程度しか変わらない)。

 デザインコンセプトは「宝石」と「光と影」だ。写真では分かりにくいが、角度を変えることで背面のカーボン調がやや青みがかって見える。右側面のマルチファンクションホイールはさまざまな角度からの光を反射する宝石をイメージしている。

やや青みがかっているのが分かるだろうか

 microSDカードスロットには、ピンを差すことで押し出すトレイ式を採用した。Astell&Kernの「A」のロゴの形をしたピンが付属する。

「A」の形をしたピンでmicroSDカードスロットのトレイを取り出す

 スペックの詳細は別記事を参照していただきたいが、最大の特徴は旭化成エレクトロニクスの最新DACチップ「AK4497EQ」をデュアル構成で積んでいることだろう。試聴できたのは短時間のため、あまり多くは語れないことを了承してほしい。

 まずステンレスモデルを聴くと空間の広さを感じる。重なって判別しにくかった音どうしの距離が空き、音が良く分離されている。低域から超高域まで申し分のない解像感を味わわせてくれる。

 カッパーモデルは、説明を真に受けた筆者の思い違いかもしれないが、低域、特にベース弦の表現が艷やかになっているように感じた。担当者によれば、筐体の素材を変えることで音が変わることはアイリバー社内でも周知の事実であり、「ボディーのアース性が変わるからでは……」とその理由を考えているそうだ。

新たなプロダクトライン 今後も追加

 SP1000は今回「A&ultima」という、従来の「AKシリーズ」とは別枠のフラグシッププロダクトラインとして登場した。「A&??」という名前のプロダクトラインは今後も追加していく考えで、4月に新プロダクトラインとして発表があった「KANN」についても、後継機は「A&??」の新たなプロダクトラインに乗せていくようだ。

 新たに設計し、“世界最高峰”を目指すというA&ultima SP1000。価格も約50万円と気軽に手を出せるものでもないため、買う前に一度は試聴するべきだろう。だが、逆に試聴するべきではないかもしれない。聴いてしまうと、つい50万円払ってしまうかもしれないから。

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