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» 2017年06月28日 06時00分 UPDATE

「α9」にはミラーレス機の未来が詰まってる (1/6)

[荻窪圭,ITmedia]
ソニーの「α9」

 いやあ「α9」はスゴかった。思った以上にスゴかった。

 α9はソニーのαシリーズのフラッグシップ機である、という以上にミラーレス界のフラッグシップ機だ、といってもいいくらい。ミラーレス機の新しい基準になる1台というか、これを触ると他のカメラがなんかもっさりしてる気がしてヤバいというか、さすがソニーというカメラだったのだ。

 これを使ってると、ついつい連写しまくってSDカードの「ギガが減る」……ヘンな日本語だけど、まあご容赦を。

 ソニーはα7シリーズという35mmフルサイズセンサーを使った立派なシリーズを持ってる。「α7」「α7 II」と来たにも関わらず、これはα9だった。α7シリーズの後継がα9なのではなく、デザインテイストはα7系と同じながら、設計コンセプトが異なるカメラと思っていいだろう。

基本デザインはα7系を継承しつつ、一段進化したα9

 α9のコンセプトは速さ。それもハイエンドの一眼レフをぶっちぎる速さ。とりあえずそれである。

 AFの速さ・連写の速さ・シャッタースピードの速さだ。

α9はなぜ速いのか

 連写速度やシャッタースピードの壁になるのは物理的な動作だ。

 具体的には2つ。1つはミラーボックス。1枚撮るたびにミラーが上下に動く。ミラーレス機はミラーボックスを持たないのでこれはクリア。

 もう1つはシャッター。センサーの前に付けられたシャッター幕が物理的に動いてセンサーに当たる光をコントロールしている。これを使わないで電子シャッターにすればシャッタースピードや連写速度をもっと上げられる。

 α9はメカシャッター時は1/8000秒だが、電子シャッター時は1/32000秒までOkだ。

超高速シャッターで手軽に楽しいのは水。1/32000秒で撮ると水もこんな透明が岩石の固まりみたいな感じ。晴天下だったが水飲み場がちょうど木の陰にあったのでISO4000まで上がった(24-70mm 70mm 1/32000秒 F2.8 ISO4000)

 ただ電子シャッターには欠点がある。撮影時にカメラを動かしたり被写体が高速に動いていると、歪みが出るのだ。これはイメージセンサーの構造に由来するものなのでゼロにはできないが、センサーからの読み出し速度を高速化することで軽減できる。ソニーはそれを「アンチディストーションシャッター」と呼んでる。

 確か、「RX100M4」で最初に登場した。その後ソニーは多くのイメージセンサーでそれを発展させ、最新のスマホ「Xperia XZ」でもそれを実現している。

 α9はイメージセンサーにバッファとして使えるメモリを積んだメモリ搭載の積層型CMOSイメージセンサーを新たに開発。

 これにより、ディストーションが少なくなり、高速読み出しを利用した秒約20コマの連写を実現した。

 固定フォーカスで高速連写なら今までもあったが、35mmフルサイズでAF追従しながらの高速連写である。これはすごい。

 ちなみにメカシャッター時は秒約5コマなのでその差が分かるはずだ。

 電子シャッターだとシャッター音がなくなるので、静かな場所での撮影にもいい。もともとα系ってシャッター音が大きめなので、その差に驚くはず。

 ディストーションが完全になくなったわけじゃないので、万能ではないが、シャッター方式は簡単に切り替えられる(デフォルトでC3ボタンに割り当てられている)ので、自分であれこれ試してみて判断するのがいいだろう。

シャッター方式はオート、メカ、電子からさっと選べる

 単に高速連写するのみならず、α9がすごいのは連写時の快適さ。

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