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〜簡単、安全、快適、スタイリッシュ&コンパクト〜4つの特徴を兼ね備えた最強のトリプルワイヤレス・ブロードバンドルータ「AtermWR6600H」「AtermWR7800H」
 NECアクセステクニカは6月15日、IEEE802.11a/11b/11gの3つの無線LAN規格に対応したトリプルワイヤレス・ブロードバンドルータ「AtermWR6600H」および「AtermWR7800H」の2機種を発売した(WR7800Hは7月中旬出荷予定)。WR6600HはIEEE802.11aと11.b/11gの切り替えタイプ、WR7800Hは11a/11b/11gの同時利用タイプで、ともに昨年6月に発売されたトリプルワイヤレス・ブロードバンドルータ「WR7600H」の後継機にあたる。

 また、2機種にはそれぞれ単体モデル、PCカードタイプ子機「AtermWL54AG」とのセットモデル、Ethernetタイプ子機「AtermWL54TE」とのセットモデルが用意され、計6モデルのラインナップとなる。WR6600Hの予想実売価格は単体モデルが1万4800円、PCカード子機とのセットモデルが1万8800円、Ethernetタイプ子機とのセットモデルが2万3800円で、WR7800HはWR6600Hの各タイプにそれぞれ6000円上乗せした価格となる。

奥様のお眼鏡にかなうスタイリッシュでコンパクトなデザイン


リビングやキッチンなどにも違和感なく溶け込むWR6600Hのデザイン(右)。左はPCカードタイプの子機「AtermWL54AG」


熱がこもらないから、本体の両側面にも熱放出用の穴が少ない。だから横置きも可能

 さて、今回のAtermは、従来からデザインが大きく変わり、一言で言えば、スタイリッシュ&コンパクト!(何だか、どこかの自動車のCMコピーのようですが……)。これならリビングのインテリアの一つとしても、違和感なく溶け込めそう……。そこで今回は、女性ライターの目から見たWR6600Hということで、実際に筆者が使ってみた感想などをお届したいと思います。

 まず、目を引くのが、コンパクトな本体です。それもそのはず。WR7600Hでは内蔵だった電源をACアダプタとして外に出し、さらに、従来、無線LANカードを装着することで実現していた無線LAN機能を基盤に実装したことで、容積がなんと30%も小型化しているのです。

 特に高さは43ミリも低くなっていて、パッと見ただけで、「わっ、小さくて可愛い!」と思わず声を上げてしまいました。さらに、写真でお分かりいただけるとうれしいのですが、全体的に、柔らかいイメージとなるラウンドフォルムや、白物家電を連想させるクリアな表面塗装など、デザイン面も大きくブラッシュアップしているので、これなら、リビングなど人から見える場所に置いても、周囲のインテリアとも十分なじみ、違和感なく溶け込めそうです。

 しかも、電源をACアダプタにしたことで、コンパクト化しただけでなく、横置きができるようになったという点も画期的! 以前のように電源が内蔵型の場合、電源から発生する熱を放出するため、どうしても縦置きにする必要があり、本体の両側面には熱放出用の穴が数多く開けられていました。でも、WR6600Hでは、従来ほど本体に熱がこもらないので、穴も少なく、本体を横に寝かして置くことも可能というわけです。

なぜ「横置き」が魅力的なのか?

 実際、今まで、無線LAN対応のブロードバンドルータと言えば、パソコン用として使うことが多かったので、例えば、デスクトップ型パソコンであれば、ディスプレイやパソコン本体の脇などに置いておけば良く、縦置きでも何ら問題はありませんでした。

 ところが、最近は、ネットワーク対応のビデオレコーダーや地上波デジタルチューナー、ネットワーク型ゲーム機などが続々と登場。これらとルータを接続して、ビデオレコーダーに録画したTV番組をパソコンに送信してパソコン側で楽しんだり、ゲーム機でネットワーク対戦ゲームを楽しんだり、といったケースが増えてきているわけです。つまり、無線LANの利用シーンが急速に拡大してきているというわけです。今後、さらにさまざまなネットワーク家電が登場し、広く普及していけば、無線LANへのニーズはますます高まっていくことになるでしょう。

 そうなった場合、パソコンが置かれた書斎の机上だけでなく、リビングやキッチンなどに置くといったケースも多くなるわけで、そのためには、縦置きと横置きの両方に対応している方が断然便利になるのです。

 実際、試しに、WR6600Hをビデオレコーダーの上に横置きしてみたのですが、同じ横置きのビデオレコーダーには、やっぱり横置きの方が断然フィット。あんまりうまく収まったので、ちょっと感動してしまいました。

 つまり、WR6600Hでは、無線LANの利用シーンの拡大をいち早く考慮した結果として、本体のスリム化、デザイン性のアップ、横置き対応という3つの大きな改良が行われているというわけなのですね、NECアクセステクニカさん。

ボタンを2度押すだけで接続設定が可能

 外観だけでなく、接続設定が格段に易しくなっている点もWR6600Hの大きな特徴です。従来、無線LAN接続というと、SSIDやPPPoEなど一般にはなじみの薄い設定が要求されるため、ある程度、専門知識が必要でした。苦労して設定してもなかなかうまくつながらないといった苦い経験を持つユーザーも少なくありませんでした。

 特に女性の苦手意識は強いようで、実際、無線LAN対応のルータを店頭に買いに来るユーザーの9割以上は男性だといいます。筆者も実はそんな苦手意識を持つ女性ユーザーのひとりだったのです。

 でも、実際に、WR6600Hの接続設定をしてみたところ、その簡単さにビックリ! 専門知識が全くと言ってよいほど要らないのです! それも、今回、新対応の「らくらく無線スタート」のおかげです。

 この「らくらく無線スタート」とは、本体に新装備された“らくらくスタートボタン”を押すだけで、あとは自動で、SSIDや暗号化キーといった子機の無線LANの接続設定を行ってくれるというもの。しかも、接続内容は製品ごとに個別の登録内容がプリセットされているので、ユーザーは設定内容を意識する必要がありません。暗号化キーにも対応しているので、セキュリティ面でも安心という頼もしさです。これには、筆者も思わずクラッときてしまいました。

 では、具体的に、PCカードタイプ子機であるAtermWL54AGとの接続設定の方法について順を追って説明していきましょう。

 まず、同梱の「サテライトマネージャ」というソフトウェアをパソコンにインストールします。次に、WL54AGをパソコンにセット。すると、常駐しているサテライトマネージャが自動検出し、ドライバを自動セットアップしてくれます。

 さらに、親機であるWR6600H本体の背面にある「らくらくスタートボタン」を押下。すると子機のWL54AGを発見して1対1の設定モードになり、WR6600H側面のLEDランプが変化し、同時にパソコンの画面も変わります。その両方を確認したら、再度、らくらくスタートボタンを押すだけ。これにより、SSIDと暗号化キーなどの設定情報が親機から子機に転送され、子機側で設定が自動的に登録されます。LEDランプが変わったら、もう設定完了です!


WL54AGをパソコンにセットしたところ。このようなメッセージが出るので、ここでWR6600H本体背面の「らくらくスタートボタン」ボタンを押す


ボタンを押すとWR6600H本体側面のLEDボタンが緑色に点滅し、パソコン側も図のような画面に変わる。ここで再度ボタンを押す

これが「らくらくスタートボタン」。押すだけでオーケー
親機のLEDボタンが橙色に点灯し、パソコン上に図のような画面が出てきたら無線LANの自動設定は終了

 SSIDや暗号化キーは、1対1の特殊な通信モードで送信されるのはもちろん、前述の通り、製品ごとにユニークな番号なので、他人のパソコンから盗聴されるといった心配も不要です。しかも、ドライバのインストールから無線LANの設定手順にはすべて音声ガイドがついているので、とても親切。以前は、いつまで待てば良いのが分からなかった操作も、音声で、「少々お待ち下さい」と言われると安心ですよね。

 インターネットへの接続設定に関しても、「らくらくWebウィザード」が用意されています。画面のガイドに従って、ADSLかFTTHかといった使用する回線を選択し、ID、パスワードなどを入力するだけで簡単に接続設定が行えてしまうのです。

 一方、Ethernetタイプ子機AtermWL54TEのセットモデルの場合は、親機のSSIDと暗号化キーがすでに子機にも登録された状態で出荷されるので、WL54TEに無線LAN接続を行いたい機種を接続するだけという簡単さです。

 まさに「簡単」と「安心」が両立した製品に仕上がっていると言えるのではないでしょうか。

 さて、WR6600Hには、スタイリッシュ&コンパクトなデザインとらくらく無線スタート以外にも、IEEE802.11a/11b/11g対応のトリプルワイヤレスと、無線LANのスピードがアップする「Super AG」機能対応という2つの特徴があります。

「周波数帯の意図的な使いわけ」でより高速でより安定した通信を実現可能

 トリプルワイヤレスは前機種WR7600Hから対応している機能ですが、ここに興味深い傾向が見られますので、ご紹介しておきましょう。一昨年の2002年度の市場では、IEEE802.11b製品が金額ベースで80%を占める主流商品であったのに対し、2003年度には11b製品は金額ベースで15%にまで激減。代わりに主力製品にのし上がってきたのが11a/11.b/11gのトリプルワイヤレスタイプで、全体の46%を占めるまでに成長してきているというのです。

 今回発売のWR6600HはWR7600H同様、IEEE802.11aと11.b/11gの切り替えタイプで、現在はこのタイプが主流ですが、今後は、11a/11b/11gの同時利用タイプのWR7800Hにも注目が集まりそうな気配です。そうとは言っても、値段が気になるところですよね。実際、実売価格にして、単体モデル、PCカードタイプ子機とのセットモデル、Ethernetタイプ子機とのセットモデルの3モデルともに6000円ほど高くなっています。


NECアクセステクニカの矢田部弘長氏

 そこで、同時利用タイプの利便性について、NECアクセステクニカのソリューション販売推進部主任の矢田部弘長氏にお伺いしてみたことろ、次のように説明してくれました。

 「11aは5.4GHzの周波数帯を利用しています。一方、11b/gは2.4GHzの周波数帯を利用しています。そのため、同時利用タイプのWR7800Hをお選びになる方というのは、基本的に子機が11aと11b/gが混在した環境で無線LANをお使いになる方ということになります。しかしながら、ホームユースの場合、11aと11b/gが混在している環境の方というのは現在のところ非常に少ないと思います。では一体なぜ、今後、WR7800Hに注目が集まる可能性があるのか。それは、同時利用タイプのメリットが混在利用だけではないからです」(同氏)。

 理由はこうです。例えば、ビデオレコーダーで録画した映像を無線LANで接続されたパソコン画面で見る場合、ビデオレコーダーからは映像を送信することになり、パソコンは映像を受信することになります。つまり、11aの周波数帯だけ、もしくは11b/gの周波数帯だけしか利用できない環境の場合、実効スループットは2台同時に使用するため、半減してしまうのです。それが、2〜3Mbps程度のストリーミングデータであればほとんど問題はないのですが、今後、ハイビジョンデジタル放送など高ビットレートの映像コンテンツを楽しみたいと思った場合、コマ落ちなどが発生する可能性も出てきてしまうのです。

 その点、WR7800Hであれば、送信は11aの周波数帯を使い、受信は11b/gの周波数帯を使うといったことが可能になり、それぞれの規格が持っている速度をフルに利用することができるというわけなのです。

 もちろんこれは、2台のパソコンをそれぞれ11aと11gで使用してファイルをやり取りする場合や、無線LAN対応プリンタを利用する場合も同じことが言えますよね。つまり、今後、無線LANを導入しようというユーザーにとっては、11aと11b/gの周波数帯を意図的に両方使うことで、より高速で、より安定した通信を実現できるというわけなのです。

 また、最後の特徴である「Super AG」とは、米アセロス・コミュニケーションズ社が開発した無線LANの高速化技術です。この技術に対応する子機や無線LAN内蔵パソコンと組み合わせて使用することで、Super AGオフ時と比べて、約1.5倍〜2倍も実効速度を速くすることが可能だと言います。現在、NECではSuper AG対応の無線LAN内蔵パソコンを3シリーズ6モデル発売していて、他メーカーからも続々と発売されている注目の技術です。Super AG対応の無線LAN内蔵パソコンを使っているなら、アクセスポイントも是非Super AG 対応のものをチョイスしたいところですよね!

 このように、AtermWR6600HおよびAtermWR7800Hは、今後ますます広がりを見せる無線LANの利用シーンに応え、簡単、安全、快適、スタイリッシュ&コンパクトの4つの特徴を兼ね備えた、現時点で最強のトリプルワイヤレス・ブロードバンドルータの一つと言えるのではないでしょうか。

[ITmedia]