海外へ行く場合、「どんな方法で支払いをすればいいのか?」と考えたことはないだろうか。「現地の通貨で支払いたいけど、為替手数料が高く安全面でも怖い」「持っていくお金が高額なのでトラベラーズチェックでもいいけど、発行するのに手間がかかるし、場所によっては使えないしなあ」――このような悩みを持つ人も多いはず。
「できれば1枚のクレジットカードで支払いを済ませたい」。そんな消費者のニーズに応える形で、ソニーファイナンスインターナショナルとソニー銀行は10月27日、1枚のクレジットカードで円と米ドルで支払いができる「2通貨決済機能付クレジットカード」(2通貨クレカ)の取り扱いを始めると発表した。1枚のカードで日本国内では円、海外では米ドルが使える機能は世界初。ソニー銀行の石井茂社長は「『なんでこんなことができないの?』といった顧客の要望があり、(2通貨クレカの)サービスを始めた。今後も“当たり前”のサービスを提供していきたい」としている。
一般的なクレジットカードの場合、日本でも海外でも円で支払うことが多い。しかし2通貨クレカで日本国内のVISAまたはeLIO加盟店で買い物をすると円普通預金口座から、海外のVISA加盟店では米ドル普通預金口座からそれぞれ引き落とされる。
「わざわざ2通貨クレカを使用しなくても、2枚のクレジットカードを使えば同じことではないか?」といった疑問を抱く人もいるだろう。2通貨クレカのメリットとして、「引き落としサービス」※が付いていることが挙げられる。この引き落としサービスとは、口座の残高よりも引き落とし額が上回った場合、もう一方の口座から自動的に引き落とされるというもの。そのため2枚のクレジットカードを管理する手間が省ける。
2通貨クレカは10月29日から申し込みを受け付け、満20歳以上(学生可)で、ソニー銀行に外貨普通預金口座を保有している人が対象。年会費は5250円※で、カードを申し込むと外貨預金の通常金利に0.05%の優遇金利が付く。
従来のクレジットカードの場合、利用時と実際の決済時で為替レートが違ってくるため、どうしても円換算の額に誤差が生じてしまう。また昨今のように為替変動が激しいと、予想外の出費につながることもある。しかし2通貨クレカでは為替レートを確認して、自分の好きなタイミングで外貨への預け入れができるので、利用時は円に換算した価格が確定している。またインターネットでホテルや観光などを手配する際、米ドルで決済することが多く、うまく利用すれば予約時から“お得に”旅行することができる。
2通貨クレカについて、旅行ジャーナリストの村田和子氏は「(米ドルを)預け入れ時よりも円安になれば、為替の利益を受けることができる。逆に円高になれば損が生じるので、2通貨クレカを『利用しない』といった使い方もできる」とコメントした。
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