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WUXGA&Adobe RGB&600カンデラの超高性能LCD、三菱が開発

» 2004年03月22日 15時08分 公開
[ITmedia]

 三菱電機は3月22日、端末用液晶ディスプレイとしては世界最高性能となる液晶ディスプレイを開発したと発表した。解像度1920×1200ピクセル(WUXGA)で輝度は600カンデラ/平方メートル、さらにAdobe RGBと同等の色再現域を同時に達成。カラーキャリブレーション機能も内蔵した。印刷分野などへの製品化に向けて仕様の詳細確立を勧めていく。

photo 新開発ディスプレイ(LED-BL)の色再現域(CIExy色空間)。色相によってはAdobe RGBを上回る

 新開発の液晶ディスプレイは、一般的なWUXGAディスプレイと比べ輝度を約3倍に高めた上、色再現域はAdobe RGB(1998)と同等以上の従来比約1.5倍に向上させた。

 色再現性を高めるため、液晶バックライトとして一般のディスプレイが使用している冷陰極管(蛍光灯)ではなく、RGB3色のLEDを光源とする方式を採用した。冷陰極管では各色のピーク波長以外にサブピーク波長が存在し、これが混色してしまうため色再現性域が狭くなってしまう。LEDバックライトを使うことで各色の純度を高め、色再現域を拡大できた。

 同社は既にLEDバックライトによる1280×768ピクセル(WXGA)表示の試作機を既に発表している(関連記事を参照)。ただ高解像度化すると開口率が低下し、画面が暗くなる問題が生じる。この問題は広視野角タイプのIPSパネルを採用するとさらに深刻になってしまう。

 新開発のディスプレイではLEDを従来比約2倍に増やし、暗くなる問題に対応。ただ、このままではLEDの発熱で色ずれが起きるため、これを補正する内蔵キャリブレーションシステムを開発して解決した。キャリブレーション機能をパネル内部に組み込んだため、一般のシステムのように画面の前面にセンサーを外付けする必要がなくなり、リアルタイムな補正が可能という。

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