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中国での検閲はYahoo!が最悪――国境なき記者団

» 2006年06月17日 07時28分 公開
[ITmedia]

 国境なき記者団は6月15日、検索大手各社が提供する中国語版の検索エンジンを調べたところ、検閲状況はYahoo!が最悪であることが判明したと発表した。

 調査ではYahoo!、Google、MSNの中国語版と地元企業のBaiduで、「6-4(天安門事件が起きた6月4日の意味)」「法輪功」「チベットの独立」「民主主義」といった反体制的と見なされる用語を検索し、検索結果を比較した。

 その結果、こうした用語の検索結果に占める中国政府寄りサイトの比率は、yahoo.cnの場合97%に達し、Baiduを上回った。google.cnでは83%、msn.cnは78%だった。これと比較して、検閲されていないgoogle.comなどで同じ用語を検索すると、中国政府公認筋の情報が占める比率は28%にすぎなかった。

 yahoo.cnでは特定の反体制的用語で検索をかけると検索ツールが一時的にブロックされ、まずエラーメッセージが出た後、改めて別の用語で検索しようとしても反応しなくなるという。こうしたやり方を取っているのはYahoo!のほかはBaiduのみだという。

 国境なき記者団では、yahoo.cnの検閲はbaidu.cnと同じくらい厳密に行われていると批判。これに比べるとgoogle.cnおよびmsn.cnのβ版は、当局非公認の情報源から提供された情報がフィルタを通過する割合が高いとしている。

 ただ、Microsoftは検閲を実施しないと明言したばかりだが、今回の調査によれば、MSN中国語版の検索結果は、コンテンツのフィルタリングを認めているgoogle.cnの結果と似たり寄ったりだったと指摘している。

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