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5000円以下地デジチューナー「実現難しい」と各社

» 2007年08月06日 09時01分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 総務相の諮問機関・情報通信審議会が8月2日にまとめた答申で、5000円以下の地上デジタルチューナーを2年以内に発売するようメーカーなどに求めたことに関して、チューナーメーカーが困惑している。5000円は現在の市場価格の4分の1以下。コストを考えても難しい上、「発売できる」と断言すると買い控えが起きるのでは――という心配もあるようだ。

 情報通信審議会は答申で、地上デジタル放送の普及に向け、5000円以下の簡易チューナーを2年以内に商品化・販売するようメーカーに求めている。同審議会の事務局の調査によると、米国では地デジチューナーが約60ドルで売られている例もあるという(関連記事参照)

 地デジチューナーを生産・販売するあるメーカー担当者は「廉価版でも2万円を切る程度が精一杯。端子などをぎりぎりまで減らしても、1万円を切るのも難しい。5000円のチューナー開発はまったく見えない」と話す。

 別のメーカー担当者は「市販価格を考えると難しい上、メーカーの立場からも、できる・できないは言いにくい」と本音をもらす。メーカーが恐れているのは、消費者が「2年待てば5000円になるなら、いま2万円も出して購入する必要がない」と考え、買い控えが起きることだ。

 「買い控えはすでに起き始めている。5000円チューナーの実現が見えているのなら構わないが、それが見えていない状況で買い控えが起きてしまうと、消費者は実現しない5000円チューナーを待ち続けることになり、地デジチューナーの普及にも水を差す。メーカーとしても、消費者が買いやすいものを出したいとは考えているのだが……」

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