山形富士通と富士通研究所、神奈川科学技術アカデミーのグループは8月9日、次世代HDD技術の実現に向け、極小の穴1つ1つにデータを記録・再生することに世界で初めて成功したと発表した。現行製品の5倍に相当する、1Tビット/平方インチの記録密度を持つ超大容量HDDの実現に大きく近づく成果だとしている。
成功したのは「パターンドメディア」の記録・再生。パターンドメディアは、磁性体を人工的に規則正しく並べ、1粒子に1ビットを記録することで大容量化する次世代技術。
共同研究では、アルミ表面にナノメートルサイズの凹みパターンを広範囲に一括形成する技術を開発。コバルト磁性体をナノホールに充てんし、浮上させた磁気ヘッドでデータの記録再生を測定したところ、各ナノホールで磁気信号を観測できた。
現在、HDD世界最大手の米Seagate Technologyが出荷しているHDDのうち、記録密度が最高の「Barracuda.7200.10」は180Gビット/平方インチで、3.5インチディスク1枚の容量は250Gバイト。パターンドメディア技術は、記録密度でこの5倍以上となる1Tビット/平方インチを目指して研究開発が続いており、富士通は2010年以降の実用化を目標に掲げている。
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