ニコニコ動画が見せる“次の著作権”
先週のアクセストップは、自民党総裁戦後の麻生太郎前幹事長に関するインタビュー記事だった。総裁選敗北後はテレビにもめっきり登場しなくなったが、ネットユーザーからの注目はまだまだ高いようだ。
2位は、無名のネットユーザーが、歌声作成ソフト「初音ミク」で作った楽曲や、ミクのイラスト、動画などを次々に作っては「ニコニコ動画」にアップしている、という記事だった。
記者は取材していて、投稿されている楽曲や動画のクオリティーの高さだけでなく、大量のユーザーが作品を作っては投稿し、さらに多くのユーザーが閲覧してはコメントを残し――という創造のサイクルに感銘を受けた。ここ数年のネットで、創作のエネルギーがここまで高まった場は、ニコニコ動画以外にはなかったのではないだろうか。
ニコニコにはユーザーが自ら演奏した音楽コンテンツや、自ら描いた静止画や動画などがあふれている。音楽はダメでも動画を作れる人は、他人がアップロードした曲を借りてきて引用するなど“マッシュアップコンテンツ”も当たり前のように作られている。
記者も“ニコニコの創造力”触発されてこの週末、「初音ミク」の絵を描いてみようと、5年ぶりに手持ちのタブレット「FAVO」を取り出した。1時間ほどで絵はできたのだが、無断2次創作に当たるので公表はやめておいた。
著作権法改正に関する議論が盛り上がっており、権利団体などが「著作権を保護すればするほど、著作者の創作意欲が向上する」と主張するケースがある。だが創作意欲を高めるのは、2次創作や2次利用を全面禁止してガチガチに保護する、という姿勢ではなく、自分の作品を誰かが見てくれたり利用してくれたりすることがうれしい――という素朴な喜びではないだろうかと、ニコニコ動画にあふれかえる2次創作物を見て思った。
無断2次利用や2次創作を全面肯定すべきと言うつもりはないし、原著作者に適正な利益が配分できる仕組みはあってしかるべき。ただ、著作権法がその目的とする「文化の発展に寄与」するには、著作者側も「ただ権利を固めて守る」だけではむしろマイナスのように思う。アクセス7位の記事にある試みのように、無名の一般ユーザーを含め、創作意欲を高められるようなまったく新しい仕組みを、今後考えていく必要がありそうだ。
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