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» 2008年03月04日 15時41分 UPDATE

人間に近づくロボットたち

人間だと思って話しかけたらロボットだった。そんな未来図が、現実になりつつある。

[岡田有花,ITmedia]
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 きれいな女性が座っていた。近づいてじっくり見るまで、全く気づかなかった。彼女がロボットだということに――

 大阪大学大学院工学研究科 知能・機能創成工学専攻知能ロボット学研究室(石黒浩教授)が開発した人間そっくりのアンドロイド「Repliee Q2」が、3月3日に東京・秋葉原で開かれた「文部科学省情報爆発プロジェクト成果報告会」で展示された。

 実在の女性をもとにデザインした等身大の女性型アンドロイドで、プログラム通りにまばたきしたり、呼吸しているように肩を揺らしたり、手を軽く動かしたりする。きわめて自然な動きだ。自由度は、首までの上半身が29(腕に9×2、指に2×2、腰に4、首に3)、顔が13(目に3、眉に1、まぶたに1、頬に1、口に7)。

 周囲にカメラやマイクといったセンサーを設置し、センサーの読み取った内容に合わせて動きを変える――例えば、人が近づいたらほほえむ――といった設定も可能だ。

 ロボットはどこまで人間に近づけることができるのか、どこまで近づくべきなのか、人はどこで「人」と「ロボット」を識別するのか。そんなテーマの研究を目的として作られた。認知科学や心理学といった人間の研究と、ロボット工学が融合した新分野の開拓を目指している。

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 Repliee Q2は「愛・地球博」(2005年)にプロトタイプを出展。センサーで読み取った情報をもとに来場者にインタビューするというデモも行った。また、病院の診察室に看護士の格好で立たせ、表情やしぐさによって、診察を受けている患者の不安感や満足度の変化を測る実験も実施。患者と同調して笑顔を見せたりうなずいたりすると不安が減少して満足度が上がり、無表情だと満足度が下がるという結果が出たという。

あなたの話を引き出すロボット?

画像 マイクの音声に合わせて体や首を動かす

 ロボットをいい“聞き手”に――タイミングよく身振り手振りができるロボットで、遠隔コミュニケーションを円滑化する研究を、岡山県立大学 知能情報処理学研究室(渡辺富夫教授)が行っている。

 成果報告会で展示されていたのは、マイクに入力された音声のリズムに合わせ、高さ50センチほどの人型ロボットが体を動かしたりうなずいたりするというシステムだ。発話者の呼吸のリズムに合わせて体を動かす仕組みで、まるで話の内容を理解した上で反応してくれているように見え、思わず引き込まれていく。

 同じプログラムを利用し、PC画面上のキャラクターを動かす仕組みも開発済み。音声を使ったeラーニングでの応用ができるとし、実験も進めている。例えば、生徒役の動物アバターと教師役の動物アバターを画面上に表示し、教師の発話に合わせて両アバターが身振り手振りで応じることで、見ている側の生徒も教育内容に引き込まれていく――といったシステムだ。

セグウェイに乗った「ジャーナリストロボット」も

画像 ジャーナリストロボット

 単独で取材活動ができるという「ジャーナリストロボット」も登場した。大学新聞部員の研究員が「少ない部員でたくさんの記事を書くことはできないか」と悩んだ末に生まれたといい、東京大学情報理工学系研究科知能機械情報学専攻知能情報システム研究室(國吉康夫教授)が開発した。

 セグウェイの上に、障害物を検知するセンサーや、周囲を認識するステレオカメラ、認識処理用PC、移動制御用PCを設置。周囲の風景から「ニュース性のある風景」を切り取って動画として保存する。

 ニュース性は、あらかじめ学習した「日常の風景」と、カメラが現在とらえている風景との「距離」を独自の手法で計算した「異常性」に、Webニュースの画像を収集し、大衆の興味をひく画像を分析した「関連性」を掛け合わせて判断する。

 例えば、いつも通っている廊下に今日だけはテーブルと花瓶が置いてあった――といった場合に、花瓶の周辺の動画を“取材”(撮影)して帰ってくることができるという。

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