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欧州委員会、米国のネット賭博規制法による処罰に「待った」

» 2008年03月11日 09時36分 公開
[ITmedia]

 欧州委員会は3月10日、米国外のネット賭博サービス企業に影響を及ぼそうとする米国の動きに対し、正式な調査に乗り出すことを明らかにした。

 この決定は、2007年12月に欧州のギャンブル協会であるRemote Gambling Association(RGA)が申し立てた苦情を受けてのもの。苦情は、米司法省が過去に米国市場向けにネット賭博サービスを提供していた欧州企業を捜査していることに対するものだ。司法省が捜査対象としている期間、世界貿易機関(WTO)の裁定によって賭博サービスを提供することは許可されていたため、これに米国が自国の賭博規制法を適用するのはGATS(サービスの貿易に関する一般協定)違反であると申し立てている。

 米国は既に「Unlawful Internet Gambling Enforcement Act」(UIGEA)を施行しており、欧州のネットカジノはすべて米国市場から撤退した。ギャンブルを認めるWTOの裁定も現在は撤回されている。RGAは、司法省は裁定撤回前の賭博サービスを調査しており、既に米市場から撤退した海外企業を裁定が無効になる前の営業で訴えるのはおかしいと申し立てている。

 欧州委員会はRGAの申し立てを受け、貿易障害規則(Trade Barriers Regulation)を援用して正式調査を開始。今後5〜7カ月かけて調査を行う計画という。

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