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歌声合成ソフトもユーザーが制作 「ニコニコ技術部」活躍中

» 2008年03月24日 18時59分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 先週のアクセス8位と10位に、歌声合成ソフト「初音ミク」関連の記事が入った。昨年8月末の発売から半年以上経ったが、初音ミクを核にした創作は広がり続けている。

 創作の輪は、音楽やイラストだけでなくソフトウェアの世界にも広がっており、2月末には、初音ミクの3D画像を踊らせることができる「MikuMikuDance」が公開されて大人気となったほか、3月初めには、サンプリングした音声で歌わせることができるフリーソフト「UTAU」も公開された。

 UTAUは、初音ミクのエンジン「VOCALOID 2」に似たエディタを使って音階と歌詞を入力し、歌わせることができるソフト。機能などは初音ミクみくに詳しい。

 ニコニコ動画公式ツールとしてドワンゴは、静止画から動画を作成できる「ニコニコムービーメーカー」を投入したが、似た機能を持つフリーソフトを、ニコニコユーザーが開発している。ソフト名は未定だが「紙芝居クリエーター」と呼ばれており、静止画とテキストを組み合わせ、エフェクトをかけた動画を簡単に作成できる(作者のブログのサポートページ)。

 ニコニコ動画のユーザーがユーザー向けに作ったソフトは「ニコニコフリーソフト」、開発するユーザーは「ニコニコ技術部」と呼ばれて尊敬を集めている。営利など度外視でユーザーのため(または自分のために)作り、コメントから意見を吸い上げて改良する――というサイクルで機能が向上していくため、ユーザーが本当に欲しい機能を詰め込んだソフトになっているようだ。

 こういったソフトは今後、市販ソフトや既存のビジネスと競合することになるのか、それとも“いい関係”を築いていけるのか。注目していきたい。

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