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「ユーザーのコンテンツの所有権、主張しない」――Googleが利用規約について説明

» 2008年09月09日 08時25分 公開
[ITmedia]

 Googleは9月7日、「Google Chrome」で物議を醸したサービス利用規約についてあらためて説明し、「Googleはユーザーが作成したコンテンツの所有権を主張しない」と明言した。

 同社は先週、ユーザーからの指摘を受け、Googleがユーザーのコンテンツに関する権利を所有しているかのように読み取れるChromeの利用規約を修正した。問題となった条項はGoogleのユニバーサルサービス規約から流用したもので、以下のような内容となっている。

11.1 ユーザーは、本サービス上や本サービスを通じて提出、掲示または表示する本コンテンツについて既に保有する著作権およびその他の権利を保持します。本コンテンツを提出、掲示または表示することにより、ユーザーが本サービス上や本サービスを通じて提出、掲示または表示する本コンテンツを、再生、翻案、修正、翻訳、出版、公衆実演、公衆展示、および配布するための無期限、取消不可、全世界で適用され、ロイヤルティ無料の、かつ非独占的なライセンスを Google に提供していただきます。このライセンスは、Google が本サービスを表示、配布およびプロモーションすることをできるようにすることを唯一の目的としており、本サービスの追加条項に定義する一部の本サービスについては撤回される場合があります。

 Chromeの規約は修正されたものの、この条項がユニバーサル規約に含まれていることから、一部ユーザーから、この条項がほかのGoogle製品にどのように適用されるのか、Googleがユーザーの作ったコンテンツの所有を主張するのではないかと懸念する声が上がっていた。これを受け、Googleは公式ブログにこの条項について説明するエントリーを掲載した。

 同社はこのエントリーの中で、「当社の規約はユーザーのコンテンツの所有権を主張するものではない。ユーザーが作成したものはユーザーのものである」と明言している。この条項を規約に盛り込んだのは、法律上、Googleがユーザーのコンテンツをインターネット上で表示するためには、ライセンス(ユーザーの許可)が必要であるからだと説明している。これはGoogleに限った問題ではなく、AmazonやeBayなどほかのネット企業の規約にも同様の条項があると同社は主張している。

 また同社はGmailやGoogle Docsなど一部製品の規約には、Googleにはユーザーのコンテンツの所有権がないことを明記した記述を加えている。例えば、Gmailの規約には以下のような記述がある。

Googleは、テキスト、データ、情報、画像、写真、音楽、音、ビデオ、その他の素材を含め、お客様がGmailアカウントでアップロード、転送、または保存したコンテンツに対する所有権を主張しません。Googleは、お客様のコンテンツを本サービスの提供以外のいかなる目的にも使用しません。

 しかし「このような追加の記述がなくても、当社がユーザーのコンテンツの所有権を主張することはない」と同社は述べている。

 Googleは、利用規約をできるだけユーザーに分かりやすく明確にするため、引き続き見直しをしていくとしている。

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