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キャラとの会話で欲しい情報が集まってくる──携帯サイト「CLON」に新機能

» 2008年10月07日 18時33分 公開
[宮本真希,ITmedia]
画像 CLON

 ネットベンチャーのCLON Labは10月7日、自分の分身との会話を楽しむ携帯電話向けサイト「CLON」に、会話に登場したキーワードから興味・関心を推測し、最適なコラムを表示する「対話エージェント機能」を追加した。サービスを受動的に利用していても、ユーザーに最適な情報を提供できる“プッシュ型メディア”を目指すとしている。

 CLONは、ユーザー登録すると、マイページ「クロンルーム」で人型のキャラクター「クロン」と会話できるというサービス。「今日は何食べた?」などとクロンからの質問が表示された場合、「カレー」とテキスト入力で答えると、「やっぱりカレーは超辛ぇ」などと返事をする。

 お題に対してひとことコメントを投稿する掲示板や、ほかのユーザーと相性診断したり、友達登録する機能などもある。今年4月にサービスを開始し、9月の月間ページビューは約300万、ユニークユーザーは約7万。

画像 新機能のイメージ

 追加した新機能では、クロンとの会話でユーザーが使ったキーワードを分析し、興味・関心がありそうな分野を推測。関連があるコラムを紹介してくれる。「好きな食べ物は?」という質問に「バナナ」と答え、「今興味あることは?」という質問には「ダイエット」と答えたユーザーには、バナナダイエットに関するコラムを表示するといった具合だ。

 ブログウォッチャーが開発した「嗜好学習型レコメンドエンジン」を活用している。コラムはオールアバウトが提供する。9月末に先行してテストしたところ、新機能を導入した場合のコラムの閲覧率は68.1%で、導入しない場合の2倍以上に上ったという。

 同社の中山小百合社長は「携帯検索では、スピーディーに情報を探せなかったり、複数の情報を比較しづらいなど、求める情報にたどり着くには知識や技術が必要」と見る。CLONは、受動的にサービスを利用しているだけでも、ユーザーが最適な情報を収集できるプッシュ型メディアを目指す。

 「CLONは携帯電話の“情報のコンシェルジュ”になることが目標。ユーザーの潜在的なニーズを吸い上げ、新しい気づきを提供するサービスの確立を目指す」(中山社長)

画像 中山小百合社長

 CLONの収益化は来年から。会話途中にユーザーが興味のある分野の広告を表示したり、CLONのシステムを他社にASP方式で提供するといったビジネスモデルを予定している。有料コンテンツの配信も検討している。

 同社顧問でデジタルハリウッド大学の渡邉英徳客員教授は「ホテルのコンシェルジュや美容師は客をもてなしながら、客が必要な情報を見抜いて教えたり勧めたりしてくれる」として、CLONも「そっと気をきかせて」情報提供するサービスを目指している。

 CLONの9月末までの累計ユニークユーザー数は94万で、来年4月までには400万人に増やしたいという。中山社長は「コアターゲットは25歳。mixiからもユーザーをうまくリプレースして使ってもらいたい。受動的に情報収集できるCLONのシステムは日本人に合っている」と話している。

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