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» 2009年03月19日 15時58分 UPDATE

営業マンも“非モテの神”もこなす22歳 「非モテSNS」のえがちゃん参上

いよいよ出会いと恋の季節・春がやってくる……でもそんなの関係ねぇ! “非モテの神”えがちゃんとともに「非モテSNS」の世界をのぞいてみよう。

[宮本真希,ITmedia]
画像 愛用のガチャピンのパジャマ持参で来たえがちゃん。早速着替えてもらった。革靴のまま……

 IT企業の営業マン、勤務地は東京・恵比寿、22歳独身――合コンなどでモテそうな肩書きなのに、全然モテないらしい。誰のことかって? 「非モテSNS」を運営する永上裕之さん(えがみひろゆき、愛称・えがちゃん)だ。

 そんなえがちゃんが、なぜか愛用中というガチャピンのパジャマ持参で編集部にやってきた。「童貞なんです。30歳まで童貞だと“魔法使い”になれると聞きますが、もう半分くらい魔法使いになってます」。よく通る声が静かなアイティメディアのオフィスに響き、なんとも言えない違和感をかもしだす。

 「モテる人が幸せ、モテるほど人生が充実しているという世間の価値観は理不尽」と、えがちゃんは憤っている。「モテないほど幸せという価値観があったら、楽しいはず」――こんな切実(?)な思いで、趣味で作った非モテSNSを運営しているという。

「リア充にはおすすめできない」

画像 非モテSNS

 非モテSNSは、モテない人(非モテ)が集まり、傷をなめあうというサイト。(1)日記は基本的に「非モテの悲惨話」を書かなければならない、(2)恋人ができたら即退会する――など独自ルールがある。もちろんえがちゃんも、恋人ができれば管理人を辞めるつもりだ。

 トップページには「『今日、友達とお買い物行ってきたよー!(^^)!』とか日記書いてるようなリア充にはおすすめできない」と注意書きがある。ユーザーの“非モテレベル”はかなり高く、オフ会で「この前彼女に振られました」と話せばブーイングが起こるほどだ。

 えがちゃんは自称「非モテの神」。普段はIT企業の営業マンとして働いているが、SNS運営者として誰かに会うときは「非モテの神」と書いた名刺を渡している(「非モテ専用名刺」で自己紹介してみないか)。

 非モテSNSは昨年11月にオープンし、会員数は約1万7000、月間ページビューは40〜50万。えがちゃんはこれまで、趣味で100以上のWebサービスを作ってきたが、非モテSNSは最も反響が大きかったという。「ぼーんと当たっちゃって、びっくり」と笑う。

 英国の高級紙Timesでも紹介され、通訳付きでインタビューまで受けた(「非モテSNS」が英Timesで紹介される)が、「Timesを知らなかったので、最初はすごさが分からなかった」という。

 アクセスが増え、サーバ費用はかさんでいるが、非モテSNSに張ったアフィリエイトリンクなどからの収入があるため、「もうかっていないものの、赤字ではない。楽しく運営できている」そうだ。

非モテSNSで負のオーラを放て

画像 普段はまじめなスーツ姿のえがちゃん。おもむろにかばんからミカンを取り出した。有名人がレモンを持った表紙でおなじみの「ザテレビジョン」に対抗するつもりらしい

 「負のオーラが出せるSNSがあってもいいのでは」――こう考えて、非モテSNSを開設したという。「じめじめした雰囲気が許されるサイト」を目指しており、そこが「mixi」や「GREE」などほかのSNSとの違いと考えている。

 「『mixi』でベストな日記というと、『みんなと旅行へ行ってきた』みたいな内容だと思う。非モテSNSは『誰とも今日はしゃべらなかった』とネガティブなことを書いたり、負のオーラを気軽に出せる場所。実際の生活では言えないことや、意味のないことを日記に書いてもいい」

 非モテSNSを使って得られるメリットは「自分の素をさらけだせる」ことだ。「“キレイ”なWebサービスより、じめじめしていた方が楽しいんじゃないか。非モテSNSでユーザーに居心地が良いと感じてもらいたい」

 非モテSNSは「出会い系サイトではない」が、ユーザー同士がカップルになったり、ほかで恋人ができて退会したケースが、200件ほどあるという。「恋人ができたから非モテSNS辞めます」「非モテSNSのおかげで人生変わりました」――こんなメッセージがえがちゃんに届くこともあり、運営にやりがいを感じている。

「痛い中学生でした」

 1986年生まれで、福井県出身。PC好きの祖父の影響で、小学生のころからPCやネットに慣れ親しんでいた。中学生になるとチャットにはまった。「福井にいてもチャットで世界の人とつながっているのが楽しかった。パソコン大好き人間です」

 「2ちゃんねる」も中学生のころから使っている。2ちゃんねるに、自分の宣伝などを大量に書き込んだら、ほかのユーザーから「ウザイ」と叩かれたこともある。だが「知らない人から注目されるのは素敵なこと。うれしい」とポジティブにとらえていた。「“痛い”中学生だった」と振り返る。

 「かまってもらいたがりなんです」――ブログなどで、名前や顔写真、携帯電話番号、メールアドレス、SkypeのIDなどを公開している。街で知らない人から声をかけられることもあるという。

「ネタに困ることない」「マゾなので大変だとは思っていない」

 Webサービスを作り始めたのは高校生のころだ。「字幕.in」や「予告.in」を運営している矢野さとるさんのように、1人でWebサービスを開発することにあこがれ「自分もアウトプットしようと思った」

 これまで作ったWebサービスは100以上。サービスの“ネタ”は、IT系のニュースサイトやブログなどから得る。RSSリーダーを使って、1日に3000〜4000件の記事タイトルをチェックし、気になったものを読む。例えば記事から、「エア焼き肉」というサイトが流行っていると知れば、エア○○というサイトを作ろう――というふう発想していく(彼女いなくてもデート気分 「エアホワイトデー」はいかが)。

 ネタ帳には今、100以上のWebサービスのアイデアがたまっている。「ネタに困ることはない。RSSリーダーを見てると、ネタが落ちてる。ネタに困ったらエロサイトでも作ろうかな」

 平日は、午後10時ごろに仕事が終わると、コンビニ弁当片手に帰宅し、4時間ほどWebサービスを開発する。休日もPCの前で過ごす時間が長く「宅配ピザを注文して、食べながら開発している」という。

画像 「ガチャピンに似ていると言われるんです」とえがちゃん。パジャマは、非モテSNSのオフ会でも着ているそうだ

 非モテSNSの運営は友人に手伝ってもらっているものの、最近はユーザー対応などに追われ、とても忙しいという。「マゾなので大変だとは思っていない」が、「当分は恋愛禁止」と決意している。

 高校生のころから、元ライブドア社長の堀江貴文さんにあこがれ、起業を夢見ていた。「堀江さんが巨大勢力に立ち向かっていく姿や、スピード重視でWebサービスを開発していく姿勢、我が道を行くスタイルが魅力的」と感じていたという。

 最近は、非モテSNSを運営する会社を設立したいと考えるようになった。「会社にすれば信頼性が増して、ユーザーに安心してもらえるし、企業との取引もしやすくなる」

 目標会員数は10万人。「同じ価値観を持つ人が非モテSNSに10万人くらい集まると、楽しそう。1万人は心強い数ではないので……。世界に非モテを流行らせたい!」

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