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銀塩技術を透明導電性フィルムに 富士フイルム、ITO代替の新製品

» 2009年04月15日 07時00分 公開
[ITmedia]

 富士フイルムは4月14日、銀塩写真技術を応用し、透明導電性フィルムを開発したと発表した。同フィルムはタッチパネルの普及などで需要拡大が見込まれている。新製品は、希少金属を使ったITO(酸化インジウムスズ)による製品を代替できる上、屈曲性も高いなどの特長を持つとして、今秋の製品発売を計画している。

 新製品は「エクスクリア」。写真フイルムやFPD材料の開発で培った技術を応用。透明なPETフィルム上に塗布した高感度の銀塩を、精密なデジタル露光技術により自在な銀線にパターニングし、無機・有機の透明導電性材料と組み合わせた。広範囲な抵抗値が設定可能な上、屈曲のしやすさ、ITOによる製品と同等の高い透過率などを実現したという。

 透明導電膜は、ディスプレイやタッチパネルに必要な材料。ITOを使ったものが一般的だが、屈曲させると割れやすく、抵抗値の範囲が限られるなどの課題や、インジウムの枯渇と価格高騰も懸念されていた。

 新製品はITOによる製品を代替できる上、タッチパネルや電子ペーパーに必要な屈曲性や、太陽電池などで求められる高い導電性も備えるとして、幅広い分野向けに展開していく。

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