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電子看板載せてロボットがご案内 デジタルサイネージ付き自動走行型ロボ、ALSOKが発売

» 2009年07月29日 16時31分 公開
[小笠原由依,ITmedia]
photo An9-PR

 綜合警備保障(ALSOK)は7月29日、デジタルサイネージ(電子看板)を搭載し、自動走行する屋内施設向け案内ロボット「An9-PR」(アンナイン ピーアール)を国内で初めて開発したと発表した。施設の情報をタッチパネルで検索・表示したり、FeliCa対応端末にクーポンを配信したり、目的地まで誘導案内する機能を備えた。10月に発売する。

 成人女性ほどの大きさで、丸みを帯びたかわいらしいデザイン。ベースは青く塗られているが、足元や手のようなパーツは真っ白で、ドラえもんを思い起こさせる。中央が少しくびれた円柱型で、足元に取り付けたタイヤで動く。サイズは899(幅)×999(奥行き)×1564(高さ)ミリ。

 正面の“顔”の部分には、19インチのタッチパネルディスプレイを、側面には12インチの液晶ディスプレイを設置。タッチパネルでは、地図情報やクーポンなど施設情報を検索できる。側面のディスプレイには、店舗の案内やCM動画などを流せる。

 タッチパネルの左右には、ロボットの“手”を思わせる丸い突起が付いており、FeliCa端末を搭載。タッチパネルで検索したクーポンを、FeliCa対応携帯電話にダウンロードできる。

 ディスプレイ上部の“頭”の部分は電光掲示板が一周。ニュースやおすすめ情報を文字で表示する。

 ディスプレイや掲示板に流すコンテンツは、管理用のPCから専用のソフトを使って設定。時間など条件によって内容を切り替えられる。


photo 「An9-PR」の後ろ姿。12インチのディスプレイが2つ付いており、広告を表示している
photo 19インチのタッチパネルには顔の画像が映り、触れると表情を変える
photo 丸みを帯びたデザインや顔の画像がかわいらしく、会見に登場した柔道の塚田真希選手やレスリングの吉田沙保里選手も口々に「かわいい」と話していた

photo カメラと電光掲示板

 施設の地図を登録しておけば、今いる場所から目的地まで、誘導案内をすることも可能だ。タイヤの回転数から位置を推測するタコメーターで測った情報をもとに、ジャイロセンサーなどを使って現在地を把握・誘導する。

 合成音声でテキストを読み上げる機能もあり、音声での案内も可能だ。デモでは、「お客さま、何かお困りですか?」と話しながら人に近づいていた。

 頭頂部には、パンチルト機能とズーム機能を持つカメラを設置。周囲の監視や録画ができる。顔認識技術も搭載し、周りにいる人に歩み寄れる。カメラで写真を撮影し、FeliCa携帯にダウンロードするなど、ロボットの機能を使って遊べるソフトも内蔵した。


 バッテリー式で、最長走行時間は1時間。バッテリーが切れる直前に充電機の場所まで移動し、自動で充電する。

photo ALSOKの星野將常務執行役員

 価格は1095万7800円。保守費用が別途、5年分で409万5000円必要になる。リース販売がメインになるとしており、5年リース(リース料率1.88%)なら月額30万1665円(リース料23万3415円+保守費6万8250円)。

 「当社の顧客の約4分の3が、案内ロボットか、案内と警備ができるロボットを求めている」(同社の星野將常務執行役員)ため、同社の警備ロボットの技術を生かした案内ロボットを開発した。

 集客や宣伝、案内機能のあるロボットを低価格で利用したいという声も多く、リース価格は、同社の警備ロボット「リボーグQ」より月額で約10万円程度安くなっているという。

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