綜合警備保障(ALSOK)は7月29日、デジタルサイネージ(電子看板)を搭載し、自動走行する屋内施設向け案内ロボット「An9-PR」(アンナイン ピーアール)を国内で初めて開発したと発表した。施設の情報をタッチパネルで検索・表示したり、FeliCa対応端末にクーポンを配信したり、目的地まで誘導案内する機能を備えた。10月に発売する。
成人女性ほどの大きさで、丸みを帯びたかわいらしいデザイン。ベースは青く塗られているが、足元や手のようなパーツは真っ白で、ドラえもんを思い起こさせる。中央が少しくびれた円柱型で、足元に取り付けたタイヤで動く。サイズは899(幅)×999(奥行き)×1564(高さ)ミリ。
正面の“顔”の部分には、19インチのタッチパネルディスプレイを、側面には12インチの液晶ディスプレイを設置。タッチパネルでは、地図情報やクーポンなど施設情報を検索できる。側面のディスプレイには、店舗の案内やCM動画などを流せる。
タッチパネルの左右には、ロボットの“手”を思わせる丸い突起が付いており、FeliCa端末を搭載。タッチパネルで検索したクーポンを、FeliCa対応携帯電話にダウンロードできる。
ディスプレイ上部の“頭”の部分は電光掲示板が一周。ニュースやおすすめ情報を文字で表示する。
ディスプレイや掲示板に流すコンテンツは、管理用のPCから専用のソフトを使って設定。時間など条件によって内容を切り替えられる。
施設の地図を登録しておけば、今いる場所から目的地まで、誘導案内をすることも可能だ。タイヤの回転数から位置を推測するタコメーターで測った情報をもとに、ジャイロセンサーなどを使って現在地を把握・誘導する。
合成音声でテキストを読み上げる機能もあり、音声での案内も可能だ。デモでは、「お客さま、何かお困りですか?」と話しながら人に近づいていた。
頭頂部には、パンチルト機能とズーム機能を持つカメラを設置。周囲の監視や録画ができる。顔認識技術も搭載し、周りにいる人に歩み寄れる。カメラで写真を撮影し、FeliCa携帯にダウンロードするなど、ロボットの機能を使って遊べるソフトも内蔵した。
バッテリー式で、最長走行時間は1時間。バッテリーが切れる直前に充電機の場所まで移動し、自動で充電する。
価格は1095万7800円。保守費用が別途、5年分で409万5000円必要になる。リース販売がメインになるとしており、5年リース(リース料率1.88%)なら月額30万1665円(リース料23万3415円+保守費6万8250円)。
「当社の顧客の約4分の3が、案内ロボットか、案内と警備ができるロボットを求めている」(同社の星野將常務執行役員)ため、同社の警備ロボットの技術を生かした案内ロボットを開発した。
集客や宣伝、案内機能のあるロボットを低価格で利用したいという声も多く、リース価格は、同社の警備ロボット「リボーグQ」より月額で約10万円程度安くなっているという。
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