ITmedia NEWS > 社会とIT >

Google Voice問題、FCCが調査開始 Googleは「時代遅れの制度」を批判

» 2009年10月13日 09時41分 公開
[ITmedia]

 「Google Voiceがコスト削減のために一部地域で通話を遮断している」と米AT&Tが苦情を訴えていた件で、米連邦通信委員会(FCC)が調査を開始した。

 AT&Tは、Google Voiceの通話遮断はネットワーク中立のルールに反すると指摘、同サービスも電話会社と同様にこのルールに従うべきと主張している。

 GoogleはFCCから情報提供の要請があったことを認めたが、詳細は明らかにしていない。同社は「Google Voiceは従来の電話サービスとは異なるため、AT&Tのような電話会社と同じ規制を適用するべきではない」という以前からの主張を繰り返している。

 Googleは一部農村地域への通話を遮断している理由として、「特定の地域電話会社が法外な接続料を課しているだけではなく、アダルトチャットサービスや無料電話会議センターと手を組んでトラフィックを増やしている」ことを挙げている。Google Voiceは無料サービスであり、高額な接続料を支払えば運営できなくなるというのが同社の主張だ。

 さらに同社は、Google Voiceの通話遮断は「ネットワーク中立のルールに反する」というAT&Tの主張を「偽善的」と批判。「AT&Tは以前、FCCに農村地方への通話遮断を許可するよう求めていた。当社が通話を遮断しているのと同じ理由でだ。もちろんAT&Tは顧客に料金を課しており、ユニバーサルサービス助成金をもらっている」

 AT&TがSkypeやGoogle VoiceなどのWebアプリケーションを従来の電話サービスと同様に扱わせようとしているのは、規制を利用して革新を阻む「規制資本主義」だとGoogleは主張し、問題は時代遅れの電話会社の補償制度にあるとしている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.