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網膜ディスプレイで「テレスカウター」製品化 NEC、ブラザー製品採用

» 2009年10月26日 16時36分 公開
[ITmedia]

 NECは10月26日、ブラザー工業の眼鏡型網膜走査ディスプレイを採用した業務支援システム「Tele Scouter」(テレスカウター)を製品化し、2010年11月から出荷すると発表した。網膜ディスプレイとウェアラブルコンピュータを組み合わせ、工場や倉庫の担当者による現場業務支援などの用途を想定。コンテンツ配信などへの展開も進めていく。

photophoto 装着例と表示イメージ
photo システム構成イメージ

 網膜ディスプレイとウェアラブルコンピュータ端末、管理用サーバなどで構成。マニュアルや生産指示書、ピッキング情報などをウェアラブルコンピュータに送り、網膜ディスプレイで表示。現実の視界に重ねて映像を表示できる網膜ディスプレイの特徴を生かし、現場担当者はハンズフリーでマニュアルなどを確認しながら現場作業を行える。

 ディスプレイに装着した小型カメラの映像を中央サーバに送り、本部の技術者と現場担当者でトラブル解決について話し合うといったことも可能だ。ディスプレイとウェアラブルコンピュータ各30台、管理用サーバ1台などの構成で750万円から(SI費用含まず)。3年間で1000システムの販売を目指す。

 網膜ディスプレイは、目に入れても安全な明るさの光を網膜に当て、その光を高速に動かすことによる残像効果を利用し、網膜に映像を投影する技術。ブラザー工業が眼鏡型の製品を開発中で、モバイル可能なサイズにまで小型化に成功(ブラザー、網膜ディスプレイのモバイル化に成功 電池駆動で持ち運び可能に)。2010年度の発売を目指している。

 NECは今後、自社の画像認識技術や音声認識技術と組み合わせ、盗難車検出や音声入力によるコンテンツ配信、自動通訳などさまざまな領域に新システムを展開していく考えだ。

 11月5〜6日に開く「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2009」(東京国際フォーラム)に出展する。

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