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スクリーンショットで見る「Office 2010」

» 2009年11月30日 21時58分 公開
[ITmedia]

 マイクロソフトはこのほど、次期オフィスアプリケーションスイート「Office 2010」のβ版を公開した。来年前半に正式発売を予定している新Officeの特徴を、β版のスクリーンショットとともに確認してみよう。

 各アプリケーションとも、同社が新たにネット経由で提供する「Office Web Apps」と連携。ExcelデータをPCだけではなく、WebブラウザやWindows Mobileベースのスマートフォンで閲覧するなど、Webと本格的に連携する最初のOfficeになっている。SharePoint Serverとの連携も強化した。

*画面はすべて開発中のバージョンのため、変更される可能性がある。

表現力が向上したWord

photo 共同作業が容易になったWord 2010

 「Word 2010」はグラフィカルな表現力が向上。図表を簡単に作成できる「SmartArt」の機能向上や、フォトレタッチソフトのように写真を編集できる機能、テキストにドロップシャドウやぼかし、光彩といった効果を追加できる機能などが加わった。

 また、ドキュメントの共有と複数のユーザーによる共同作業が容易になっている。企業では、Office Communicatorと統合することで、ドキュメント作業者のプレゼンス情報を参照し、アプリケーションを切り替えずにそのまま会話しながら作業するといったことが可能になっている。

photo ドキュメント内へのスクリーンショット挿入が容易に

Excelの新機能「スパークライン」

 「Excel 2010」には「スパークライン」機能が追加されている。1つのセル内に小さなグラフを作成できる機能で、見せ方次第でデータの傾向を迅速かつ簡単に強調できるという。

photophoto スパークラインの例
photo Office 2010で各機能へのアクセスを簡素化したという「BackStage」。従来のファイルメニューに替わるもので、シートの保存、印刷などが数クリックで行えるという。リボンインタフェースにカスタムタブを作成し、作業スタイルに合わせて必要な機能へのアクセスを効率化することも可能だ

 ピボットテーブルの検索機能、視覚化機能も強化したほか、無料提供するアドイン「PowerPivot for Excel」を利用することで、数百万行に上る大容量データも効率的に分析できるという。64ビット版では、32ビット版の制限である2Gバイト以上のファイルに対応可能だ。

動画編集もできるPowerPoint

 「PowerPoint 2010」では、Wordと同様にフォトレタッチソフトと同様の写真編集機能を搭載。画像のシャープネスや明るさ/コントラスト調整、色調整などのほか、背景を切り抜いた画像を合成するといったこともPowerPoint上で可能になっている。

photophoto 画像編集機能
photophoto 動画編集機能とブロードキャストスライドショー

 さらに動画編集機能も搭載。再生時間を編集したり、フェードなどの効果を使って見映えのいい動画を作成できる。

 プレゼンテーションを広く公開できるブロードキャスト機能では、URLを配布することで、PowerPointがインストールされていない環境でもWebブラウザ上でスライドを表示できる。プレゼンテーションを動画に変換することも可能だ。

OutlookはGmailアカウントも管理、OneNoteは連携強化

photo Outlookでは、Wordなどと同様のビジュアル表現機能を使ったリッチなメール作成が可能だ

 「Outlook 2010」は、HotmailやGmailアカウントなどを含む複数のメールアカウントを統合して管理できる。「OneNote 2010」はOfficeアプリケーション間の連携を強化し、PC画面の横に配置しておけば、WordやPowerPointなどでファイルを閲覧・作成中にOneNoteでメモを取ったり、資料を参照するといったことが可能になっている。

新エディション「Home&Business」

photophoto Office 2010の製品構成と、ブラウザでOfficeを利用できる「Office Web Apps」

 Office 2010の製品エディションは5種類。パッケージ版のラインアップには従来の「Professional」と「Personal」のほか、新たに「Home&Business」が加わる。Home&Businessはホームユーザーや個人事業主、学生などの利用を想定。Word、Excel、PowerPoint、Outlookに加え、OneNoteが含まれている。

 ボリュームライセンスのみとなる「Professional Plus」と「Standard」は、新たにOneNoteが含まれるのが特徴。またWebブラウザで動作する「Office Web Apps」も利用できる。

 β版は11月19日に公開し、同社サイトから無償でダウンロードして評価することが可能だ。Professional Plus、Professional、Home&Businessの3エディションを評価できる。

 Home&Businessのβ公開では、「Click to Run」(仮称)と呼ぶ仮想化技術を活用した仕組みを活用している。ダウンロードを完了しないうちからOfficeを利用することができるようになっている。同エディションのβ版ダウンロードファイルサイズは合計約600Mバイトだが、ダウンロード済みファイルが3Mバイトに達すると、Click to Runによるインストールプロセスがスタート。まずClick to RunサービスがPCに最初にインストールされ、仮想化された同エディションをストリーミングによって利用できる。その間、バックグランドでOfficeインストール用プログラムをダウンロードし、インストールを完了させるという。

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