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ソーシャルゲーム、3日でできた DeNA「Platform Wars」を披露CEDEC 2010

» 2010年09月03日 16時29分 公開
[宮本真希,ITmedia]
画像 Platform Wars

 ディー・エヌ・エー(DeNA)の開発チームが携帯電話向けソーシャルゲームを3日で作る企画が成功した。8月31日から3日間、CEDEC会場で開発し、9月2日にお披露目。開発チームの1人は「携帯ゲームは3日で作って、反応をもらえる。遊んだ感想を聞けるうれしさは何にも代えがたい」と語った。

 DeNAの開発チーム6人が、CEDEC開催中にゲームを1本開発する企画。ゲーム内容とタイトルは、CEDEC会場で来場者から募集し、抽選で決定。DeNA、グリー、ミクシィが激しく社員を奪い合って売り上げを競うというゲーム「Platform Wars」だ。

 プレイヤーは、3社のうちのどこかの新米ディレクターとなって、ゲームを企画・完成させ、売り上げを立てる。ゲーム開発に必要な人材は、他社から引き抜く仕組み。自分のチームのメンバーに焼肉やキャバクラをおごってねぎらえば信頼度が増し、引き抜かれにくくなる。ゲームに登場するエンジニアなどの顔写真は、CEDECの来場者を撮影したものを使っている。

画像 記者もやってみた。パックマンが完成

 記者もやってみた。ゲームを作るのも、人材を引き抜くのも決定ボタンを押すだけで、操作は簡単。あっという間にゲームが完成し、11万円をゲットしてちょっとうれしい。DeNAのエンジニア募集のバナーも掲載されており、抜かりなしという感じだ。

 大枠の仕様は約1時間半で決め、開発にとりかかったという。エンジニアは機能別に役割を分担して進め、デザイナーはキャラ作成などから始めた。1日目の夜は宿舎のネットがつながらず、開発できなくなるピンチも。2日目からは、人材を引き抜くといった重要な機能の実装し、宿舎を変えて夜通し作業を続けた。

 3日目の午後3時に無事完成。どれを省いてもゲームとして成り立たないというコア機能のみで、装飾はあまりできなかったという。URLがCEDEC会場やTwitterで公開されると、午後6時半ごろには約300人がプレイし、ページビューは12万となった。CEDEC来場者からは「シンプルで最初のつかみがいい」「なかなかはまりそう」といった声が聞かれ、高評価だった。

画像 開発に関わったDeNAのスタッフ。「開発中に差し入れが多くてうれしかった」

 3日でゲームを開発する企画は、CEDEC側から複数の企業に打診したが、引き受けたのはDeNAだけだったという。DeNAの目的は、携帯ゲームの開発現場の様子を、CEDECに来場した家庭用ゲームの開発者にも知ってもらうことだ。

 開発チームの1人は「コンシューマゲームを作っている30代、40代は、携帯というだけで興味がないと切り捨ててしまう。『自分が作りたいのはハイテクなゲームだ』という気持ちも分かるが、携帯ゲームなら3日で作って反応をもらえる。感想が聞けるうれしさは何にも代えがたい」と話している。

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