短命に終わったMicrosoftのソーシャル携帯「KIN」、復活か?
ハロウィンは終わったかもしれないが、少なくとも1つ、死からよみがえるものがあるようだ。それは、売り上げ不振により発売から数カ月で不名誉な終わりを迎え、笑いものになった米Microsoftの携帯電話「KIN」だ。報道が正しければ、米Verizon WirelessはKIN OneとKIN Twoを、機能を省いた「フィーチャーフォン(多機能携帯電話)」として販売する計画という。過剰在庫を一掃するためかもしれない。
Microsoftは当初、KIN OneとKIN TwoがSNS好きなティーンやヤングアダルトの「マスト」デバイスになると期待していた。これら端末には、アップデートを絶えず表示したり、写真やデータをクラウドにシームレスにアップロードできる機能が備わっていた。
残念ながら、KINは売れなかった。「MicrosoftはWindows Phone 7の立ち上げに集中することを決定した。秋に計画していた欧州でのKIN発売は取りやめる」と同社は6月30日の声明文で述べていた。「KINチームはWindows Phone 7チームに統合し、KINの貴重なアイデアと技術を将来のWindows Phoneリリースに取り入れる」
だがVerizonは、KINの在庫を一掃する気になっているのかもしれない。少なくとも、PPCGeeksブログが「Verionの友人」から入手したと称する2010年のロードマップでは、そうなっている。
KINの再登場は、Engadgetなどほかのブログも確認している。KIN v2.0は、SNSのアップデートをリアルタイムにフィードする「Loop」など、データ通信量の多い機能が外されているようだ。
「ほかのフィーチャーフォンにはない、突出したハードで強化されたフィーチャーフォン」とKINについて、Verizonのロードマップには記されている。「各デバイスにはタッチスクリーンとQWERTYキーボード、ハイエンドカメラ、写真や動画を保存するのに十分な内蔵メモリが備わっている」とも。
Microsoftは初めKINを大々的に売り込んだが、初期の販売台数については沈黙を通している。Pocketnow.comなどのサイトは、KINでしか使えないKIN Facebookアプリの「月間アクティブユーザー」はわずか8810人だと指摘していた。
専門家は、KINの失敗の原因はおおむね、Verizonのデータプランの月額料金――ティーンには高すぎる――と、競合デバイスに対してKINの価値命題を定義できなかったことにあるとしている。
あるアナリストによると、KINの問題が始まったのは、Microsoftが2008年にSidekickモバイルプラットフォームを作っていたDangerを買収してからだという。買収後まもなく、MicrosoftとDangerが「Project Pink」という独自ブランドのソーシャル携帯で協力しているといううわさが流れた。だが、Dangerの資産をMicrosoftに統合しなければならなかったため、プロジェクトは遅れ、結局は失敗した。
「KINは初めから間違いだった」とEnderle Groupの主席アナリスト、ロブ・エンダール氏は、KINの製造終了発表後に電子メールで語っていた。「KINをSidekickプラットフォームからWindows CEに変えるのにかかった余計な時間のせいで、市場投入が1年半ほど遅れた。Dangerの統合でさらに1年半延びた可能性が高い。いつから数えるかにもよるが、1.5~3年遅れたことになる」
2人の上級幹部が去ることになったMicrosoftのエンターテイメント&デバイス部門の再編も、当時立ち上げ準備中だったKINにさらに影を落とした可能性がある。
だが今、ホラー映画に登場するチェーンソーを持った怪人のように、KINは墓からはい出てきた。Verizonは過剰在庫を片付けようとしているのかもしれないし、Windows Phone 7立ち上げを受けて消費者がMicrosoftデバイスに抱いた関心を利用しようとしているのかもしれない。Windows Phone 7と言えば、同プラットフォームがKINよりも売れることをMicrosoftが願っているのは間違いない。
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
マンガ原稿をクラウドに上げただけでGoogleアカウントBAN Gmailも道連れ……日本では合法なのになぜ?
-
2
ドラマ「VIVANT」のワンシーンに映像制作界隈が「ぞっとする」 microSDカードを端子むき出しで手渡し
-
3
不正アクセスで「当選」が「落選」に改ざん ウルトラマンショップのLINE整理券システムで被害
-
4
“自動で耳コピ”アプリ、ヤマハが無料公開 音源読み込み→3分でピアノ譜に
-
5
日本郵便、荷物の本人確認をICチップ付き身分証4種に限定 スマホのマイナカードで受け取れる場合も
-
6
無人タクシー、東京で来年運行へ GO、Waymo、日本交通が合意
-
7
ドコモ、34万ユーザーの電話番号などAmazonに無断提供 人的ミスで同意事項を削除
-
8
メルカリ、ポケカ最新パックの出品禁止に
-
9
MetaのザッカーバーグCEO、AIの協調減速論に「各社が自ら動けばいい」
-
10
「監視されていないときのAIは、もう評価できない」 OpenAI現役研究者が個人声明
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR