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Windows Phone 7にデータ消費のバグ Microsoftが調査

» 2011年01月12日 16時36分 公開
[Nicholas Kolakowski,eWEEK]
eWEEK

 Windows Phone 7に、アプリやWebを使っていないときでもデータが消費されるバグがあると報告されており、米Microsoftが調査を行っている。

 BBCなどが報じているように、一部のWindows Phone 7ユーザーが、自分の端末が比較的大きなデータ――「1時間に2M〜5Mバイト」から「24時間に30M〜50Mバイト」までさまざま――を送信していると報告している。

 「これは興味深い共通の問題だ。Microsoftがまだ公に対処しておらず、問題を認めてもフィックスを提供してもいないことに少々驚いた」とWebサイトSupersite for Windowsの編集者ポール・サロット氏は1月2日に、説明のつかないデータ消費を経験したと報告したユーザーに応えて語っている。「基本的にここで起きているのは、Wi-Fiが利用できるときでも、端末が3G接続を使っているということだ。アプリとOSのどちらがこの問題を引き起こしているのかは分からないが、この問題は広い範囲で報告されている」

 Microsoftは、この問題を調査中だとしている。この問題の影響を受けた可能性があるユーザーの数はまだ不明だ。

 「当社は原因を見極めるためにこの問題を調査しており、何か分かれば情報やアドバイスを提供する」とMicrosoftの広報担当者は11日にeWEEKへの電子メールで述べている。

 Windows Phone 7はWebコンテンツとアプリを「People」「Office」などの6つのテーマごとの「ハブ」にまとめている。同社は11月に米国でリリースしたこのOSで、モバイル市場での数四半期にわたるシェア減少を覆せると期待している。同社はモバイル市場で、GoogleのAndroidおよびAppleのiPhoneとの激しい競争に直面している。

 MicrosoftはWindows Phone 7をアップデートして、新機能と性能向上のための調整を加える計画だ。同社のスティーブ・バルマーCEOは5日のConsumer Electronics Show(CES)の基調講演で、アップデートによって「アプリのロードや切り替え時の大幅な性能向上」を実現すると示唆した。

 同社幹部はCESでのeWEEKの取材で、2台のWindows Phone 7スマートフォン――1台はソフトウェアをアップデートしたもので、もう1台はアップデートなし――を取り出し、それぞれの端末で同じゲームを起動した。アップデートしたほうの端末は2倍高速に起動した。ただしこの幹部は、どの程度性能が向上するかはゲームやアプリによって異なると注意を促した。

 また、Windows Phone 7のOfficeハブのように、スマートフォン向けプロダクティビティアプリが普及していることから、少なくとも一部のヘビーユーザーの間ではカット&ペーストへのニーズが高まっている。おそらくMicrosoftにとって、少なくとも評判という観点でもっと重要なのは、カット&ペーストを加えることで、Windows Phone 7がiPhoneなどのライバルの機能と同等に近づくということだ。

 Windows Phone 7は現在AT&TなどのGSMネットワークで利用できる。SprintやVerizonなどのCDMAネットワーク向けのバージョンは2011年上半期中にリリースされる。しかしMicrosoft幹部は、CDMA端末について詳細を明らかにすることを拒んでいる。

 同社は、これまでに約150万台のWindows Phone 7端末がメーカーから小売業者に出荷されたとしているが、最終的に消費者に売れた台数の公表にはまだ消極的だ。

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