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「ヤフトピの先目指す」――「NAVERまとめ」リニューアル、TwitterまとめもOKに

» 2011年03月09日 12時45分 公開
[宮本真希,ITmedia]
画像 NAVERまとめ

 ネイバージャパンは3月9日、お題に沿ったリンクや画像を集めて“まとめページ”を作る「NAVERまとめ」をリニューアルした。まとめページを作成する際に、まとめる情報のタイプを「リンク集」「画像集」など6パターンから選ぶ「1まとめ=1タイプ」の制限を廃止。画像やリンクを1ページに掲載できるようにしたほか、新たにTwitterのツイートもまとめられるようにした。

 まとめページの自由度を高めることで、ユーザーに「情報をデザインする楽しさ」を感じてもらい、ページ作成を促す狙い。編集者が一定の基準でニュース記事を収集・整理して見せる「Yahooトピックス」(ヤフトピ)型の従来メディアに対し、NAVERまとめではあらゆるコンテンツをさまざまな角度で整理・共有できるようにして「ヤフトピの先を目指す」としている。

Twitterまとめに対応、ドラッグ&ドロップで並び替えもOK

 NAVERまとめは09年7月にスタートしたサービス。NAVER全体の月間ページビュー(PV)は2億3000万で、NAVERまとめはその半分以上を占める。昨年11月には、まとめページを作った人に、まとめページのPVに応じて、NAVERまとめの広告収入を分配する仕組みをスタート。まとめを作る人は5〜6倍に増えた。多い人で月8万円ほど稼いでいるという。

 まとめページはこれまで、「リンク集」「画像集」「動画集」「発言集」のほか、タイトルから連想されるキーワードをまとめた「ワード集」、ユーザーが自由に意見交換できる「フリートーク」の6タイプに分かれており、作成時にどのタイプか選ぶ必要があったが、リニューアルではこれを廃止。リンクやテキスト、画像などを1つのまとめページに掲載できるようにして、編集者が自由に腕を振るえるようにする。

画像 TwitterのまとめもOK

 まとめページの作成画面には、Twitterの検索窓を新設。任意のキーワードかTwitterのユーザー名を入力して検索し、表示されたつぶやきリストからまとめたい発言を選んで追加できるようにした。作成画面でコンテンツの順番をドラッグ&ドロップで並び替えたり、見出しを付けたりできる機能も用意。文字サイズやフォントも刷新した。

 今回のリニューアルは「情報をデザインする」がコンセプトだ。「見た目も内容も分かりやすく整理されて伝わりやすくなった」と同社の島村武志サービス企画室長はアピール。「無味乾燥なデータにはわくわくしないが、情報を集めて自由に組み合わせる楽しさを感じてもらえれば」と話す。

今後は2ちゃんねるやはてブのまとめも

 Twitterのつぶやきをまとめられる「Togetter」やNAVERまとめのように、集めた情報を整理して分かりやすく見せる「キュレーションサービス」が注目を集めている。「情報が爆発的に増えて興味や関心が多様化し、知りたいことをいろんな角度や文脈で教えてほしいという要望が高まっているからでは」と、島村室長は見る。

 一方、編集者が一定の基準でニュース記事を収集・整理して見せるヤフトピ型のメディア「ニュースアグリゲーションサービス」については、(1)話題の対象がニュース記事に限定される、(2)話題の選別基準が一元的――といった課題があると指摘する。

 NAVERまとめでは今後、「2ちゃんねる」や「はてなブックマーク」などほかのプラットフォームのコンテンツもまとめられるようにする予定。「ヤフトピ型の従来メディアでは得られない、ユーザーの『知りたい』という思いに応える総合的かつ多様な情報収集・探索の機会の提供」を実現するとしている。

 NAVERまとめの収益化は現時点で考えておらず、当面はまとめページの作成を促すことで、サービスを盛り上げていく計画。優秀なまとめページを表彰する――といった取り組みも検討している。

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