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【記者の7つ道具】深夜に味わう味噌汁

» 2011年12月10日 12時00分 公開
[伏見学,ITmedia]

 2011年は出張の多い1年だった。

 3月上旬にドイツ・ハノーバーで開催されたIT展示会「CeBIT」に始まり、帰国した翌週には沖縄で中小企業のIT活用を取材した。4月は博多でコンタクトセンターの事例取材、5月には神戸で東日本大震災に関するボランティア活動を取材した

 7月は中国・大連へ、8月に入ると再び沖縄へ。滞在中、風速60メートルの大型台風に直撃するという稀有な体験をした(おかげで2日間足止めを食らった)。息をつく暇もなく、8月末にはオーストラリア・メルボルンでカンファレンスを取材

 10月初旬にはIT業界最大規模のカンファレンスを取材すべく米国サンフランシスコへ。ヘトヘトになって帰国したものの、2週間後に再び米国へ。今度はラスベガス。1カ月に2度も太平洋を渡ることとなった。

 そんな筆者の出張ライフを支えていたのが、以下に紹介するアイテムである。なお、ここではノートPCや一眼レフカメラなどの「ストレート」な仕事道具は割愛し、持っていると非常に助かる「変化球」的な道具を取り上げる。

道具1 スーツケース

ビジネスっぽい場所に行くときは、黒色のスーツケースを選ぶ ビジネスっぽい場所に行くときは、黒色のスーツケースを選ぶ

 昔から旅行の時には荷物をたくさん詰める習性がある。例えば数年前、2泊3日で中国を一人旅した際には、大きめのドラムバッグを手に持ち、リュックを背負っていった。中には書籍を4〜5冊と中国語の辞書を3冊、雨具や帽子、そして日数以上の服などいろいろと入っていた。ほとんどが使われないまま、帰国後に自宅で取り出されることになった。

 最近はましになったものの、仕事での海外出張でも荷物は多め。それらを収納するスーツケースがこちらである。状況や気分に応じて2つを使い分けている。例えば、赤色のスーツケースの方が容量は大きいので、衣服の多い冬場に愛用している。どちらも家電量販店にて1万5000円程度で購入したもの。メーカー名は不明。TSAロック搭載で、毎回、行きも帰りも開けられてしまう……。

道具2&3 味噌汁と煎餅

「しじみ味」のインスタント味噌汁が胃腸に優しくしみ込んでくる 「しじみ味」のインスタント味噌汁が胃腸に優しくしみ込んでくる

 これを持参するのは、主に米国出張の時である。どうにも大味な米国の料理が口に合わないことに加え、現地では、毎日早朝から取材活動が始まり、夕方にホテルの部屋に戻ってきて、それから夜通しで原稿を書くというスタイルが基本なので、滞在2日目を過ぎるときまって胃もたれ&口内炎になる。

 そうしたボロボロの心身に癒しを与えてくれるのが、味噌汁と煎餅のゴールデンコンビだ。深夜に眠たい目をこすりながら熱々の味噌汁を飲み、煎餅をひとかじりする瞬間は格別である。極めてコストパフォーマンスの良いリラクゼーションアイテムといえるだろう。ごくたまに、宿泊部屋にお湯沸かし器がないというハプニングに見舞われることもある。

道具4 カンファレンスで貰うバッグ

「Oracle OpenWorld San Francisco 2011」(左)と「IBM Information On Demand 2011」で手に入れたバッグ。しかし、帰国後に使ったことはまだない…… 「Oracle OpenWorld San Francisco 2011」(左)と「IBM Information On Demand 2011」で手に入れたバッグ。しかし、帰国後に使ったことはまだない……

 海外のカンファレンスへ行くと、受付時に参加者バッジとイベントパンフレットをはじめとする大量の紙資料、ボールペン、メモ帳、コーヒーを入れるタンブラーなどを貰う。たいてい、それらと一緒にショルダーバッグを貰えるわけだが、このバッグがイベント中に大活躍する。

シンプルなつくりだが、収納があるため、ノートPCとノート、ICレコーダー、筆記用具、さらには後述する防寒具まですっぽりと入る。さらには、周囲を見渡すと、世界中から集まった参加者たちも皆、同じバッグをぶら下げているので、一体感を味わうことができるというおまけつきだ。

 ちなみに、同じカンファレンスに毎年参加して、こつこつとバッグを集めている熱心なファンもいるという。

道具5 防寒具

 海外のカンファレンスに参加するなら、季節を問わず、防寒具は不可欠である。なぜなら、会場、特に基調講演を行うような大ホールは、これでもかというほど冷房がかかっているからだ。このせいで体調を崩す参加者(日本人)は結構多いという印象がある。

 寒さ対策として、私の場合、ジャケットの下にカーディガンかセーターを着て、マフラーをする。それでも寒い場合には、コートを着用して基調講演を聴く。ポケットの中にはホッカイロを忍ばせておくこともお忘れなく。

道具6 マスク

 これは、出張時の飛行機の中で活用する。特に米国やヨーロッパに向けて長時間のフライトを要する場合には、マスクのあるなしで、その後の調子が大きく変わってくる。また、風邪がまん延する秋冬には、マスクを着用せずに飛行機に乗り込むことは、花粉症の人が無防備で杉林に飛び込むようなものだと思う(花粉症でないと分からないかもしれないが)。

 たかがマスク、されどマスク。侮ることなかれ。

道具7 iPod

イヤホンのコードが長すぎる…… イヤホンのコードが長すぎる……

 最後は、多くの人にとっても定番アイテムであろうポータブル音楽プレイヤー「iPod」。筆者が愛用しているモデルは、2005年に発売されたiPod classic 第5世代である。容量は30ギガバイト。

 これは出張に限らずだが、海外に行くときは、その土地にゆかりのある曲を何度も聴くようにしている。そうすることで、音楽を通じて場所の記憶を鮮明に残すことができるからだ。

 聴く音楽は何でもいい。その国で生まれたアーティストでもいいし、その都市を歌ったものでもいい。ただ、筆者は必ずその国に到着してから、まずは国歌を繰り返し聴くようにしている。その土地に自分が溶け込み、暖かく迎えられているような感覚を抱く。


 次回は、ITmedia オルタナティブ・ブログを取り仕切る、“番長”こと鈴木麻紀が、軽快なメロディを奏でながら、魅惑の7つ道具を紹介する。

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