DMM.comは8月27日、ハードウェアスタートアップ製品の販売・流通をサポートするサービス「DMM.make SELECTION」をスタートした。経験が少ないスタートアップが着手しにくい量産時の販売・物流面のコンサルティングや拡販支援を行う。
同社はこれまで「DMM.make 3Dプリント」「DMM.make AKIBA」など、スタートアップが製品を企画・開発できる環境を整えてきた。だが、試作段階のクラウドファンディングなどでは成果を収めても、次のフェーズとなる一般の商業ベースではうまくいかない事例が少なくなかったという。
「DMM.make SELECTION」では、製品の量産化に進み、本格的に展開するフェーズを支援するのが狙い。一般販売する際の商流の活用の仕方や展開パターンなどのノウハウを提供し、拡販の基本戦略をメーカーとともに立案していく。
国内だけでなく、サンフランシスコ、ベルリン、インドなどに物流法人を設立し、現地を拠点に海外の大手ECサービスや法人にも売り込む。メーカー側には各国で異なる規約や認証、保証、免責について情報提供し、世界展開を両面で支援する。
ECサイト「DMM.make STORE」も販路の1つとして活用。受注販売にも対応し、製造リスクや在庫管理コストをコントロールする。DMM.make SELECTION製品の第1弾として、ゼクウ・モータースの大型電動バイク「zecOO」(959万400円・税込)、アイツーアイ技研の小型3Dプリンター「Moo-del nano」(価格未定)などの販売を始めた。
.make事業部の坂口秀之アライアンスプロデューサーは、「DMM.make AKIBA」で多くの企業や開発者と接している経験を踏まえ、「我々がやりたいのは、立ち上げから関わっている製品をきちんと形にして(パッケージや流通の)アドバイスをすること」と日本のスタートアップやメーカーの“世界デビュー”への思いを話す。
坂口プロデューサーは「プロトタイプ段階のクラウドファンディングでは、普通のメーカーなら考慮するべき利益構造や製造原価を考えていないケースも多い」と、一般流通が進みにくい要因を指摘。ハードウェアスタートアップが事業拡大を目指す上での販売・流通戦略の重要性を強調した。
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