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通信講座にもBYOD? ベネッセ、iPad活用の「進研ゼミプラス」来年スタート

» 2015年10月28日 11時40分 公開
[片渕陽平ITmedia]

 通信教育は自宅学習が中心で、途中でやる気を失いがち――そんな課題を解決するべく通信教育にも「BYOD」(Bring your own device)が導入されるようだ。ベネッセコーポレーションは10月27日、通信講座の新サービス「進研ゼミプラス」を来年4月にスタートする。紙教材中心の講座だけでなく、手持ちのiPadで学べる「ハイブリッドスタイル」を新設し、講座の指導者と生徒間で双方向にやり取りが出来る環境を目指す。

photo ハイブリッドスタイル

 「ハイブリッドスタイル」は、手持ちのiPadで問題に回答できる「BYOD形式」の新コース。理解度に応じて、問題や解説を出し分ける「アダプティブラーニング」を導入し、1人1人に沿った個別指導を目指す。苦手な問題に出合うと、学年をさかのぼって基礎の内容から復習したり、得意な分野は応用問題を出題する――など、成績を向上させる仕組みも用意するほか、作図やグラフの問題では紙ベースの教材とも連携するという。

photo 画面にキーボードが表示
photo 解説の画面
photo 学年を超えたおさらいも。

 商品開発部の永見良介課長によれば、過去50万題のデータベース「学習ルートマップ」に基づき教材を作成したと言い、「大規模な会員数を持ち、データを蓄積してきた45年分の知見があるからこそ実現できる」と胸を張る。

 答案の添削指導を行う「赤ペン先生」に加え、「赤ペンコーチ」が1人1人に付き、デジタル上の学習履歴から得意・苦手分野を把握。定期試験前には具体的な学習計画を提示し、試験後の復習もサポートする。学習が滞っている場合はアラームを出すほか、保護者のスマートフォンに通達するという。

photo 「赤ペンコーチ」が新登場
photo iPadの活用状況を把握

 BYOD形式の普及に合わせて、電話やチャットによる「勉強なんでも相談室」、教室で学べる「クラスベネッセ」や提携塾など、対面形式の指導も一層拡大。「赤ペンコーチ」とともに、生徒が相談できる環境作りを進める。発表会に登場した歌手のmiwaさんは「幼いころ、赤ペン先生の温かいアドバイスが勉強のやる気につながった」と話した。

 同社は、これまでにも専用タブレット「チャレンジタッチ」など独自の教材開発に取り組んできた。小中高教育サービス開発本部の村上久乃本部長は、BYOD形式に切りかえる理由を「iPadが普及する中で、趣味や勉強など用途ごとにデバイスを使い分けるのは苦痛」と説明する。「自学自習で挫折してしまった時に、助けに入りやすい仕組みを作れば、より役立つ通信教育になるのでは」(村上本部長)

photo 村上本部長、miwaさん(左から)

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