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パックマン美少女擬人化も“公認” バンダイナムコが「カタログIPオープン化」で模索するファンとの新しい関係(3/3 ページ)

» 2016年01月22日 11時00分 公開
[山崎春奈ITmedia]
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「作り手と受け手の垣根はますます曖昧に」――UGC文化とどう向き合うか

 現行のプロジェクトは、現段階では告知通り3月での募集終了を予定しており、今後どのような形で発展的につなげていくかは検討中だ。有料アプリの場合はレベニューシェアを、無料配信の場合は広告配信ツールの導入を求め、収益を求める形で運用していたように、企業の取り組みとして永続性がある方法を模索したいという。

 今回のプロジェクトは国内での展開に限っていたが、海外からの問い合わせも多い。「まずはパイロットプロジェクトとして国内で“勉強”していた」としつつ、コンテンツ利用に関しては各国で法律が大きく異なる部分も多く、越えるハードルは高い。

 桝井さんは、「UGC文化との付き合い方は、これからのコンテンツ企業にとって最も大切になる部分であり、今後他社も含めて同様の取り組みは加速していくのでは。新たなやり方をいち早く示し、新しい知見を得られたことは社としても大きかった」と振り返る。

 桝井さん個人としても、個人の創作活動の広がりには注目しており、この5年ほどは特に大きく動いている実感があるという。ゲーム開発の現場も大きく変わり、個人制作のスマホ向けゲームが世界的なヒットにつながる時代だ。コンテンツプラットフォームはますますオープンになり、コンテンツを提供する側、享受する側の垣根も曖昧になっていくだろう――と話す。

 「だからこそ、ただベンチャーを支援するのではなく、これまで続いてきたバンダイナムコだからできることを考えていきたい。世に出た瞬間から作品はユーザーのもの、価値や結果を決めるのもユーザー。愛情ある彼らの表現を尊重し、作り手側としても活躍してもらいながら、一緒に盛り上げていければ」(桝井さん)

photo ネットマーケティング部ゼネラルマネージャー 桝井大輔さん
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